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PC用Googlebotによるクロールの終了
2024.08.29
制作
こんにちは。制作部の中山です。
Web制作の現場で長年活躍されている皆様にとって、先月Googleから発表された「パソコン用Googlebotによるクロールの終了」のアナウンスは、感慨深いニュースだったのではないでしょうか。2016年10月に「モバイルファーストインデックス(以下MFI)構想」が公式発表されてから約8年。ついに完全移行の最終段階を迎えたと言えるでしょう。時代の変化を肌で感じずにはいられないですね。
そこで今回は、「PC用Googlebotによるクロールの終了」と、それに至るまでの経緯について詳しく掘り下げていきたいと思います。
Googleからの発表内容
まずは改めて、今回アナウンスされた内容から見ていきましょう。
以下が実際にGoogleから発表された内容になりますが、Google検索はMFIへの移行を完了し、2024年7月5日以降はスマートフォン用GooglebotのみでWebサイトのクロールとインデックスを行うこととなりました。
パソコン用Googlebotによるクロールの終了
2024年6月3日(月曜日)
Google検索のモバイルファーストインデックスへの移行は最終段階に入ろうとしています。現在依然としてパソコン用Googlebotでクロールされている少数のWebサイトも、2024年7月5日以降は、スマートフォン用Googlebotでクロールされるようになります。ほとんどのWebサイトでは、対応は必要ありませんので、ご安心ください。
モバイルサイトのインデックスに関する前回の更新でお伝えしたとおり、Googleはスマートフォン用クローラーを使用してほぼすべてのWebサイトをクロールし、インデックスに登録しています。ここ数年、スマートフォンで閲覧できないWebサイトの数は減少し続けています。まもなくGoogleでは、システムを簡素化し、デバイスの種類に関連する問題をWebサイト側でデバッグしやすくするために、Google検索のすべてのWebサイトをスマートフォン用Googlebotクローラーを使用してクロールする予定です。
大半のWebサイトはすでに同クローラーを使用してクロールされており、そうしたWebサイトに関する変更はありません。2024年7月5日以降は、スマートフォン用GooglebotのみでWebサイトをクロールし、インデックスに登録します。コンテンツをスマートフォンでまったく閲覧できないWebサイトは、インデックス登録の対象外となります。
一部、サーバーログやレポートにパソコン用Googlebotが残る場合があります。その他の検索機能で、たとえば商品リスティングやGoogleジョブ検索のクロールにパソコン用Googlebotが使用されることがあります。
影響と対策が必要となるケース
本件は発表以来段階的に対応が求められてきており、2023年10月にはMFI移行も完了しています。そのため、ほとんどのサイトにおいて今回の変更による影響は受けない見込みです。
ただ以下のようなケースにおいては対策が必要になりますので、モバイルファーストインデックスへの対応状況を確認し、必要に応じて対策を行うようにしましょう。
スマートフォンで閲覧できないサイトは、インデックスから除外される。
スマートフォンで閲覧できないコンテンツは、Googlebotが認識できず、インデックスから除外される可能性があります。すべてのコンテンツがスマートフォンで閲覧できることを確認しましょう。
レスポンシブデザイン未対応で、PC版とSP版のURLを分けているサイト
レスポンシブデザインを導入していない場合は、PC版とSP版でそれぞれ異なるURLを持つことになります。しかし、MFI移行後は、スマートフォン版のURLのみが優先的にインデックスされる可能性があります。PC版とSP版のURLを統合し、レスポンシブデザインを導入しましょう。
画像や動画などのリッチコンテンツが適切に設定されていないサイト
画像や動画には、alt属性を設定することで、検索エンジンに内容を伝えることができます。適切なalt属性が設定されていない場合は、検索結果に表示されにくくなる可能性があります。画像や動画すべてのalt属性を設定しましょう。
従来のPC版SEO対策のみを実施しているサイト
従来のPC版SEO対策は、デスクトップPC向けの施策が中心でした。MFI移行後は、スマートフォンユーザーの利便性を考慮したSEO対策が重要になります。ページ速度の向上、タッチ操作のしやすさ、読みやすさ、広告表示の最適化など、モバイルファーストの観点からSEO対策を見直しましょう。
従来のPC版とスマートフォン版クロールの違い
なお移行にあたり、従来のPC版とスマートフォン版クロールの違いを、以下に改めてまとめております。
PC版クロール (Googlebot) |
スマートフォン版クロール (GooglebotSmartphone) |
|
---|---|---|
対象デバイス | デスクトップパソコン | スマートフォン |
クロール方法 | デスクトップPC用のブラウザをシミュレートしてWebサイトを訪問し、コンテンツを取得。HTML、CSS、JavaScriptなどのソースコードを解析。 | スマートフォン用のブラウザをシミュレートしてWebサイトを訪問し、コンテンツを取得。スマートフォン向けに最適化されたHTML、CSS、JavaScriptなどのソースコードを解析。 |
クロール要素 | ・デスクトップPCで表示されるコンテンツ全てがインデックスされる ・JavaScriptで生成されたコンテンツやFlashコンテンツは、インデックスされない場合がある |
・スマートフォンで表示されるコンテンツのみがインデックスされる ・JavaScriptで生成される一部のコンテンツもインデックスされる ・Flashコンテンツは除外 |
考慮要素 | ページ速度、リンク構造、メタタグ、コンテンツの品質など | ページ速度、タッチ操作のしやすさ、読みやすさ、広告の表示状況など |
MFI移行の軌跡
以下の表にMFI移行の軌跡を改めて表にまとめております。今回の発表に至るまでに、実に約8年もの時間をGoogleは要しています。
8年の歳月をかけて、ついにモバイルファーストがWeb制作のスタンダードとなった今、振り返るとMFI移行の発表から現場への浸透まで、多くの葛藤と変革がありました。
当時、私も現場で右往左往しながら、モバイルファーストという新たな概念に戸惑いを感じたことを覚えています。しかし時を経て今、情報収集を怠らず時代に対応し続けることの重要性を改めて実感しています。
年月 | イベント | 詳細 | 現場への影響 |
---|---|---|---|
2016年10月 | MFI構想発表 | スマートフォン版Webサイトを優先的にインデックスする取り組みを発表 | モバイルファーストを意識したWeb制作が求められる |
2018年3月 | MFI移行開始 | 一部WebサイトでMFI適用開始 | 対象WebサイトのSEO対策が必要となる |
2019年7月 | MFI適用拡大 | 多くのWebサイトでMFI適用 | 対象WebサイトのSEO対策がより重要になる |
2020年3月 | MFI完全適用 | すべてのWebサイトでMFI適用 | すべてのWebサイトがモバイルファーストに対応する必要がある |
2023年10月 | MFI移行完了 | GoogleがMFI移行完了を正式宣言 | 今後はモバイルファーストが検索エンジン最適化(SEO)の基本となる |
2024年7月5日 | パソコン用Googlebotクロール終了 | スマートフォン用Googlebotのみでクロールとインデックス | モバイル対応していないWebサイトは検索結果に表示されなくなる可能性 |
最後までお読みいただき、ありがとうございました。