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ライティングスキルの欠かせない正しい文体を知ろう

2024.09.26

制作

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こんにちは、クリエイティブ制作部の髙橋です。
みなさんは「話し言葉」と「書き言葉」を正しく使えていますか?
文章の書き方には、話している言葉をそのまま文章にする「話し言葉(口語体)」と、ビジネス文書やレポートなどのように格式ばった書き方をする「書き言葉(文語体)」があります。
近年、SNSの普及で親しみやすい話し言葉に触れる機会が増えている影響もあり、大学生のレポートでも口語体と文語体が混ざってしまったり、口語体が中心だったりと問題になり、多くの大学で「文章作法の授業」が開設されているそうです。
かくいう私も、話し言葉と知らずに文書に使用してしまったり、二重表現に気付かずに使っていたりと、正しい文体が身に付いているとは言えません。
そこで今回は、いざきちんとした文章を書かなければならないシーンでも困らないように、正しい文体と言葉について確認していきたいと思います。

「話し言葉」と「書き言葉」の違い

「話し言葉」は、音声によって伝えられる言語です。会話で使われるのが話し言葉であり口語ともいいます。聞き手側にとっては理解しやすく、親しみを感じやすいのが特徴です。相手に伝えることを重視しているため、文法にはあまりこだわりません。

「書き言葉」は、文章を書くときに使う言語で、ビジネスや公的な場所で使用されます。書き手の主観や書き癖がなく、読み手が限定されないことが特徴で文語ともいいます。正確な情報を伝えることを重視しているため、文法に忠実で丁寧な表現になります。

シーンに応じて選ぶ使い分けのポイント

「書き言葉」は正確な情報を伝えたい時に使用しましょう。新聞や論文、レポートなど、誰が読んでも理解できるように決められたルールにしたがって用います。

「話し言葉」は個人のブログやSNS、エッセイなど、親しみを持って欲しい時に使用しましょう。企業のオウンドメディアやブログなどでは、基本的に書き言葉が推奨されていますが、ターゲットに合わせてあえて話し言葉を使用することも効果的です。

書き言葉を用いるのがふさわしいケース 話し言葉でも良いとされるケース
レポート・論文 小説・エッセイ
社内の公式文書・企画書・報告書 SNS・ブログ
新聞記事 キャッチコピー

間違えやすい「話し言葉」と「書き言葉」

特に間違えやすい「話し言葉」と「書き言葉」をいくつか例を用いてご紹介します。
文章を書く際に意識して使い分けるようにしましょう。

話し言葉 書き言葉
副詞 やっぱり やはり
全然 全く(まったく)
全部 全て(すべて)
絶対に 必ず
たぶん おそらく
やっと ようやく
もっと さらに
だんだん 次第に・徐々に
どんどん 急速に
ちゃんと きちんと・正しく
ちょっと 少し
いつも 常に
現在
指示詞 こんなに・そんなに これほど・それほど
疑問詞 どんな どのような
どうして・なんで なぜ
どっち どちら・いずれ
接続詞 なので・ですから・だから そのため・したがって
ですが・けれども しかし・だが・とはいえ
その他 いろんな 色々な・様々な
いい よい

文章作成時に気を付けたい言葉

日常の会話の中でも意識せずに使用しているため、文法の間違いに気付きにくい言葉があります。
書き言葉としては正しくないため、文章においては正確に表記し丁寧な印象になるようにしましょう。

①「い抜き言葉」と「ら抜き言葉」
本来入るべき「い」や「ら」が省かれた表現です。カジュアルな会話では自然に聞こえますが、文章に書くとくだけた印象になってしまいます。ビジネス文書内では特に注意してチェックするようにしましょう。

い抜き言葉 〇正しい言葉 ら抜き言葉 〇正しい言葉
話してます 話してます 食べれる 食べれる
読んでます 読んでます 来れる れる
対応してます 対応してます 決めれない 決めれない
思ってます 思ってます 着れます れます
来てる 来て 出れます れます
食べてる 食べて 見れる れる

②二重表現
ひとつの単語だけで意味が分かる語句に、同じ意味の言葉を重ねて使用している表現です。話し言葉としては許容範囲の場合が多くあります。また、強調する目的であえて意味を重ねる表現方法もあるため、必ずしも誤用とは言い切れない場合もあります。しかし、文章表現としては違和感を与える可能性が高いため注意しましょう。

×二重表現 〇正しい表現
同じ語句を使用 頭痛が痛い 頭が痛い、頭痛がする
予め予約する 予約する、予め申し込む
違和感を感じる 違和感を覚える
返事を返す 返事をする、返事する
上を見上げる 上を見る、見上げる
同じ意味の言葉を使用 捺印を押す 捺印する
すべて一任する 一任する、すべてを任せる
被害を被る 被害に遭う、害を被る
はっきり断言する 断言する、はっきり言う
年内中に 年内に、今年中に

言葉の変化

少し話は逸れますが、「言葉の変化」について少しお話したいと思います。
「三省堂国語辞典」は1960年に初版発行され、多くの世代の方に活用されてきたロングセラー辞書です。2022年に約8年ぶりに全面改訂されました。その際、なんと約1,100語の使われなくなった言葉を削除し、約3,500語を新たに追加したそうです。たった8年で大きく変化しているのが分かりますね。

削除されたのは古い言葉など、あまり接することが無く、調べる機会も減ったものだそうです。例えば「コギャル」「スッチー」「MD」「着うた」「テレカ」など…時代を感じさせる言葉が多いですね。
そして新たに「ソーシャルディスタンス」「人流」「黙食」「いぶりがっこ」「そうなんですね」「ゾーンに入る」「デジタル庁」「虎ロープ」「とんぼ玉」「墓じまい」「ラスボス」などが加えられたそうです。これもまた時代の流れ…。
このように、単語としての言葉の変化も時代とともに移り変わります。
ジーパン、プータロー、ナウい、朝シャン、おニュー、バタンキュー…、私が子どものころ普通に使われていた言葉も今は「ザ・昭和」な感じでうっかり口にすると恥をかくことに…。
しかし今の若者が普通に使っている言葉も、いつか「ザ・令和」な感じだね…となるのです。そこをお忘れなく!

まとめ

文章を作成する際には、どうしても「話し言葉」の方を選んでしまいがちです。日常的に会話で使用しているため違和感を感じにくく、気付けないことが多々あります。また、新しい言葉が生まれたり、時代の変化に応じて言葉は日々変化しています。例えば、今後「ら抜き言葉」が正しい日本語になる可能性もあるわけです。
しかし現状では間違った言葉遣いですので、ビジネス文書などでは正しい言葉遣いを心がけましょう。正しい日本語を意識した文章は読みやすく、内容も理解しやすくなります。読み手に伝えたい情報が届きやすくなるため、言葉遣いを意識して文章を書くことをおすすめします。