ブログ タイトル 背景画像

日常

ブログ 画像

日常2020.07.07

夏の花と花言葉

こんにちは、マーケティング部の松本です。
冬の寒さから一転、すっかり暖かくなった春を過ぎて、そろそろ夏のやって来る季節になりましたね。柔らかな新緑で目を楽しませてくれていた木々の葉もこれからどんどん鮮やかに濃く色付いて、自然の力強さを感じることが出来るようになります。 ただ、夏といえば。そう、とにかく暑いです。昨今の日本では夏は体調に障りが出るほどに暑くて、真っ青な空を見上げていると何だか広すぎて、日差しが強くて、くらくらとしてしまいます。
だから、というわけでもないですが、ついつい日陰を探して視線を下に落としがちになってしまいませんか?夏は自然が鮮やかな季節、下を向いてばかりでは勿体ないですよね。なので今回は自然の中でも花、そして花といえばちょっとロマンチックな花言葉、ということで、夏の花と花言葉について、少しお話が出来ればと思います。お付き合い頂けると幸いです。

花言葉とは

皆さんは「花言葉」というものをご存知でしょうか?有名なものだと、赤い薔薇の「あなたを愛しています」や、母の日に贈る赤いカーネーションの「母への愛」でしょうか。同じ薔薇でも、白い薔薇には「深い尊敬」という花言葉があったり、花の咲いた状態ではなく蕾の状態の赤い薔薇は「純粋な愛に染まる」、白い薔薇には「恋をするには若すぎる」という花言葉があります。花と蕾で意味が異なるなんて、凄いですよね。
ではそもそも花言葉とは誰が考え、決めたものなのか、ご存知ですか?

花言葉は、アラビア地方で古くから行われていた「セラム(selam)」という風習が起源であると言われています。セラムとは、愛する人へ想いを託した花を贈る風習です。受け取った相手もまた同じように花を贈って返事をします。一つ一つの花に意味を持たせて組み合わせ、それを贈る事で花の手紙、としたのだとか。この意味をもたせる、という部分が、花言葉の起源となっているのですね。
そんな風習がヨーロッパへと広まったのは今から約300年前、18世紀のことです。
その立役者となったのは、1716年にイギリスの駐トルコ大使夫人としてトルコに渡った、手紙文学の作家であった女性。そして、1709年にトルコへと亡命したスウェーデンの男性の二人です。彼女らはそれぞれトルコで生活をする中で、花に意味を持たせて贈るという風習を学び、それをヨーロッパへと持ち帰りました。
しかい、この花に意をも持たせるという習慣が本格的にヨーロッパに根付いたのはそれから更に100年後、19世紀の初頭、フランスでのこととなります。

19世紀の初頭、フランスで花言葉のブームが起こります。その始まりは一冊の本でした。それが、シャルロット・ド・ラツール著「花言葉(Le Langage des fleurs)」です。
1818年に出版されたこの本は、フランスで18版も重ねるほどの人気となり、アメリカやスペインでは海賊版が出回るほどでした。元々フランスには人を草花に例えて詩を書いたり、誰かのことを称賛する文化が深く根付いていました。その土台の上に花言葉が登場して、一躍大ブームとなったわけですね。

さて、そんな花言葉が日本へと伝わったのは、明治時代のことです。

1886年、「泰西礼法」(ルーイズ・タルク著、上田金城訳)という本が出版されました。この本は泰西、つまり西洋のマナーについて取り上げられた本であり、その中で数種類の花言葉について取り上げられたのだそう。この本が、日本では初めて花言葉という文化を紹介するものでした。
そして1910年、「花」(江南文三、与謝野晶子著)という本が出版されました。こちらは日本で初めて、まるごと一冊花言葉について扱った本でした。この本では、詩人であり文芸雑誌「スバル」の編集者でもあった江南文三が花言葉を解説しています。この「花」には、花言葉の解説とともに、花を題材にした与謝野晶子の和歌が五十首が収められています。素敵ですね。1910年というと、意外と最近な気がします。

このようにして日本に伝わった花言葉ですが、ヨーロッパから伝来したこともあり、当初は花言葉も、ギリシャ神話やキリスト教に由来するものばかりだったそうです。それが現代に至るまでに、日本独自の花言葉がどんどん増えて行ったんですね。ヨーロッパの文化に沿ったものから、日本の文化に沿ったものに。
例えば、私の苗字にもある「松」という植物。ヨーロッパでは松の花言葉は「哀れみ」「同情」なのですが、日本では松の木を縁起の良いものと考えることから「不老長寿」という花言葉が生まれたのだそうです。このようにして増えて行った結果、一つの花に相反する花言葉があったりするようになってしまったのだとか。

最近新しく付けられた花言葉として有名なのは、やはり青い薔薇でしょうか。青い薔薇の花言葉には「神の祝福」というものがあります。
実は花言葉というのは、誰が決めると明確に規則があるわけではないのです。業界団体が販売促進に役立つような花言葉を自由に付ける事が出来るんです。ただし、どんな花言葉を付けたとしても、それが広く認知されるかは別の話。意外と曖昧なものなのかもしれませんね、花言葉というものは。

夏の花

さて、花言葉についての前書きが長くなってしまいましたが、夏に見られる花とその花言葉について、幾つか簡単にご紹介したいと思います。また、正確には「夏に花、あるいはそれに類するものをつける植物」を紹介するものであり、細かな分類や種については触れませんので、ご認識のほどよろしくお願いいたします。

紫陽花

春から夏に至る間、梅雨の時期によく見かける紫陽花。とても綺麗ですよね。植えられている土壌の酸性度によって色が変わるのは有名で、ピンクや紫、青と鮮やかな見た目で心を癒やしてくれます。紫陽花は落葉低木であって、正確に言えば花ではなく木なのですが、一番よく見かけるものかと思われますので、ピックアップしました。
あじさい、と呼ばれるようになった理由ははっきりとはしていませんが、最古の和歌集である『万葉集』では「味狭藍」「安治佐為」、平安時代の辞典『和名類聚抄』では「阿豆佐為」という字で表されています。もっとも有力とされている説は、「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」が訛ったもの、というものなのだとか。そのほか、「味」は評価を、「狭藍」は花の色を示すという谷川士清の説、「集まって咲くもの」とする山本章夫の説(『万葉古今動植物正名』)、「厚咲き」が転じたものであるという貝原益軒の説など、様々な説が存在します。
また、花の色がよく変わることから、「七変化」「八仙花」とも呼ばれるそうです。

日本語で漢字表記に用いられる「紫陽花」は、唐の詩人である白居易が別の花、おそらくライラック(紫丁香花)に付けた名で、平安時代の学者である源順がこの漢字をあてたことから、誤って広まったと言われています。
民間薬として葉や花が利用されることもありますが、アジサイ属の一部の種類では摂取した人やウマに中毒症状が起きたと報告されるなど、毒性があるとされている花でもあります。

紫陽花の花言葉は、「移り気」「浮気」「無常」。これは色が変わる事から付けられたとされています。また色ごとにも花言葉があり、青は「辛抱強い愛情」、ピンクは「元気な女性」、白は「寛容」です。この事から、母の日に「いつまでも元気であってほしい」という願いを込めて、ピンクの紫陽花を贈る習慣もあるそうですよ。素敵ですね。

ラベンダー

次にご紹介したいのはラベンダーです。独特の香りと、鮮やかで美しいラベンダー色。目に鮮やかな花ですよね。実はラベンダーも、夏に美しく咲き誇る花なんです。
ラベンダーは伝統的にハーブとして古代エジプト、ギリシャ、ローマ、アラビア、ヨーロッパなどで薬や調理に利用され、芳香植物としてその香りが活用されて来ました。ラベンダーの栽培は1930年代に本格的に行われるようになりましたが、それ以前は野生種の刈り取りがほとんどだったのだとか。野生のラベンダー、いまいち想像が出来ませんね。
日本におけるラベンダーの初期の記述としては、江戸文政期の西洋薬物書に「ラーヘンデル」「ラーヘンデル油」の名で詳細な説明があります。幕末期には一部ですが精油が輸入され、栽培も行われていたと考えられています。昭和期には香料原料として北海道富良野地方などで栽培されて精油が生産されてましたが、1970年にピークを迎えた後に合成香料の台頭で衰退してしまいました。現在では、富良野などではラベンダー畑は有名な観光名所として活用されています。
合成香料の台頭によって栽培自体は少なくなりましたが、今でもラベンダーの精油は香料として利用されたり、アロマテラピーでリラクセーション目的に活用されています。

ラベンダーの花言葉は「沈黙」「私に答えてください」「期待」「不信感」「疑惑」。ちなみに英語の花言葉は、「devotion(献身的な愛)」「silence(沈黙、静寂)」「distrust(疑惑)」です。「沈黙」や「静寂」は香りに気分をリラックスさせる効果があることから、「疑惑」はその繊細な見た目からは信じられないほど強い香りを発することから、この花言葉が付けられたと言われています。

百合

次にご紹介したいのは、大きな花が華やかで「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉が美人の形容詞として用いられるくらい、その美しさで人を魅了する百合の花です。
東洋において百合は、食用や薬用に使用されることが多くありました。日本で百合が観賞用として栽培されるようになったのは、明治30年代頃。幕末時代にフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが日本の百合の球根、これは琉球列島原産のテッポウユリと言われていますが、これを持ち帰り母国で育てて広めたところ、復活祭に用いられるイースター・リリーとして大流行しました。その結果、日本の百合の球根は近代日本の絹に次ぐ二番目の主要輸出品として外貨を獲得したのだとか。驚きですよね。そうして日本から海外へと広まったものがいわゆる逆輸入されるかたちで、明治末に鑑賞花として日本で流行しました。
西洋において、百合は聖書にしばしば登場する花のひとつです。新約聖書「マタイによる福音書」には、「ソロモンの栄華もユリに如かず」との一文がありますが、これは人間の作り上げたものは神の創造物である自然には及ばないことの比喩とされています。ただし、新約聖書時代のイスラエルでは百合は一般的な花ではなく、この場合の百合とは特定の種を指すのではなく、野の花一般のことを指すと考えられています。
キリスト教においては、白い百合の花は純潔の象徴として用いられ、聖母マリアの象徴として描かれます。天使ガブリエルはしばしば百合の花をたずさえて描かれますが、これはガブリエルがマリアに受胎告知を行った天使であることを示す、図像学上のしるしなのだとか。花の一つにも様々な意味や歴史があるのは、中々面白いですよね。

百合全体の花言葉は「純粋」「無垢」。白い百合の花言葉は「純潔」「威厳」、オレンジの百合の花言葉は「華麗」、ピンクの百合の花言葉は「虚栄心」、黄色の百合の花言葉は「陽気」。花が華美であるが故に色によって受ける印象も大きく違っていて、それを示すように花言葉も様々ですね。ですがやはり、百合には人を魅了する美しさがあると思います。

朝顔

次にご紹介したい花は、誰もが一度、小学校の植物観察の授業などで育てたことがあるのではないでしょうか。鮮やかな青色が美しい朝顔は、朝に花を咲かせ、夕方にはしぼむ「朝の美人の顔」と言われる夏の花です。ちなみに、英語では「morning glory」と呼び、直訳すると「朝の栄光、輝き」という意味で、ぴったりですよね。

朝顔が日本へ到来したのは、奈良時代末期と言われています。遣唐使が朝顔の種子を薬として持ち帰ったものが初めなのだとか。朝顔の種の芽になる部分には、下剤の作用がある成分がたくさん含まれており、漢名では「牽牛子」と呼ばれ、奈良時代、平安時代には薬用植物として扱われていました。
また、朝顔は世界的に見ても、これほど形態が多種多様に変化した園芸植物は他にないと言われています。日本では江戸時代に最も品種改良が盛んで、花の形をいかに他にないものにするかという部分から始まり、色や大きさなど、様々な改良がされています。現在においても、日比谷公園で「超大輪朝顔展」が、東京都港区の魚籃寺では「変化朝顔展」が毎年開催されるなど、朝顔の美しさを追求する人の心は、江戸時代から引き継がれて来たものなのかもしれませんね。

朝顔全体の花言葉は「明日もさわやかに」「結束」「愛情の絆」「私はあなたに絡みつく」。白い朝顔の花言葉は「あふれる喜び」「固い絆」、青い朝顔の花言葉は「短い愛」「儚い恋」、紫の朝顔の花言葉は「冷静」です。
全体的にポジティブな印象を受ける花言葉ですが、「私はあなたに絡みつく」などは朝顔が伸ばす蔓から連想されたものなのだとか。また、朝顔はその日のうちにしぼんでしまっても、また翌日に美しく咲き誇ることから「明日もさわやかに」という花言葉が付けられました。

向日葵

最後にご紹介したい花は、夏といえばこの花、とも言われる、向日葵です。向日葵といえば、太陽へと常に花を向けて咲いているイメージがありますよね。でも実はあれは成長段階のみで、成長しきった向日葵は太陽を追い掛けることはありません。
向日葵の原産地は北アメリカ大陸西部とされています。紀元前から、インディアンの食用作物として重要な位置を占めていたそうです。1510年、スペイン人が向日葵の種を持ち帰り、マドリード植物園で栽培を開始したのが世界へと広まる第一歩でした。ちなみに、マドリード植物園は、ダリアやコスモスが最初に栽培されたことでも有名な植物園です。
ヒマワリがスペイン国外に持ち出されるまでは、なんと100年近くを要しました。ようやく17世紀に至りフランス、次にロシアに伝わり、ロシアに到達してはじめてその種子に大きな価値が認められました。
正教会は聖枝祭前の6週間を大斎とし、食物品目の制限による物忌み(一定期間飲食を断つこと)を行います。19世紀の初期にはほとんど全ての油脂食品が禁止食品のリストに載っていましたが、向日葵は教会の法学者に知られていなかったのかそのリストにはなかったので、正教徒の多いロシアでは教会法に背く心配のない、食用可能なヒマワリ種子を煎って常食としたのだそう。その後、19世紀半ばには民衆へと普及し、ロシアが食用ヒマワリ生産の世界の先進国となりました。日本に伝来したのも、おおよそ17世紀と言われています。

向日葵全体の花言葉は「憧れ」「あなただけを見つめる」。
白の向日葵の花言葉は「程よき恋愛」、紫の向日葵の花言葉は「悲哀」です。
この「あなただけを見つめる」という花言葉、太陽を追い掛ける姿から連想されたものなのですが、ギリシャ神話にもこの花言葉の由来とされる物語があります。

ギリシャ神話に登場する太陽神「アポロン」は、恋多き神でした。
彼は水の精である「クリュティエ」と恋人同士でしたがすぐに飽きてしまいます。
そんなとき、アポロンは美しいペルシャ国の王女「レウコトエ」に恋をして
レウコトエの母に化けて近付くと、二人は互いに夢中になりました。
クリュティエはひどく悲しみ、レウコトエの父王に二人の関係を密告しました。
国のため、決められた男性と結ばれることが決まっていたはずのレウコトエ。
その裏切りに父王は激怒し、レウコトエを頭だけ出して土に埋めました。
アポロンは助けようとしましたが、レウコトエを失ってしまいます。
アポロンはひどく悲しみ、二度とクリュティエの元へは戻りませんでした。

哀れなクリュティエは、届かぬ恋の思いにすっかりやつれてしまいます。
ただ、空を通る太陽神アポロンを見詰めて、昼も夜も立ち尽くすばかり。
食べることも忘れ、雨露と自分の流す涙を飲み干すのみでした。
9日9晩が経ったとき、ついにやせ細ったクリュティエの身体は土に吸われ、
血の失せた草木に変わり、美しかったクリュティエの顔は一輪の花となりました。

それが、太陽を見詰め続ける花である、向日葵です。

終わりに

いかがでしたでしょうか。
ついつい視線を足元に落としがちな夏ですが、少し視線を持ち上げるだけでも生き生きとした自然の鮮やかな木々が、花々が飛び込んでくるかもしれません。暑い暑いと口に出しても気温が下がるわけでもありませんので、折角なら外を歩く楽しみをひとつでも増やしたいものですよね。私が今回ご紹介したのは、夏の花の中でもごくごく一部の有名なものだけです。今はスマートフォンで写真を撮るだけでどんな花なのか判別し、解説してくれるアプリやツールもあるそうですので、ぜひ、夏だからこその自然や景色を楽しんでみて下さいね。

今後とも、MEプロモーションをよろしくお願いいたします。