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日常2021.03.02

「韻を踏む」という言葉遊び

こんにちは。営業部の足立です。

突然ですが、みなさんは普段どんなジャンルの音楽を聴きますか?
日本人がよく聴く代表的なジャンルとしてはJ-POP、アニメ、ロックなどが挙げられますが、もっと細分化すると1000種類以上もあると言われています。

私はそんな様々なジャンルの中でもHIPHOPジャンルの中の日本語ラップをよく聴きます。
「韻を踏む」という一種の言葉遊びに魅力を感じ、ラップにどっぷりとはまってしまいました。学生時代にはラッパーのLIVEやバトル会場に足を運んだり、恥ずかしながら友達と遊びでフリースタイルでラップをしたことさえあります。

そこで今回のブログは韻を踏むという面白さをお伝えし、日本のラップをもっと知っていただきたいという思いから、魅力などをご紹介したいと思います。

ラップを好きになった経緯

そもそも、HIPHOPは1970年代にアメリカのニューヨークで発祥しました。貧困地区で荒れ果てた環境で育った人々が路上に集まり1つのスピーカーを囲み、みんなで大騒ぎを始めるというのが起源です。そんな新しいカルチャーはすぐにアメリカ全土から世界へと広がりました。
日本でもそんな文化に感化され、1980年代にHIPHOPが浸透し始めます。
数々のアーティストが楽曲をリリースし、1990年代には大規模なイベントが開催され、日本語ラップはひとつのジャンルとして確立されました。

そんなラップに興味を持ち始めたのが、数年前にテレビ朝日にて放送されていた「フリースタイルダンジョン」というラップバトルの番組を友人に紹介され、観始めてからです。
ラップバトルとはラッパー同士が流れている音楽に即興の歌詞を乗せ、フリースタイルのラップをし、スキルを競い合うというバトルです。
ただでさえ韻を踏む歌詞を考え、歌にすることも簡単ではないのに、それを即興で行うという天才ぶりに感銘を受けました。すると自然に出場しているラッパーの楽曲を聴いてみたいと思うようになり、どんどん幅を広げて今に至ります。

韻を踏むとは?

先程から「韻を踏む」という言葉を多用してしまっていますが、その意味をご存知でしょうか。
あまりピンときていない方のためにも簡単に説明をすると、言葉の母音(a,i,u,e,o)を揃えた単語やフレーズをつなげることを「韻を踏む」といいます。
例えば、「アイス」という単語で韻を踏むとしましょう。アイスの母音は(あ-い-う)なので、アルファベットに直すと(a-i-u)となります。
この単語と同じ母音としては「バイク(a-i-u)」「タイム(a-i-u)」「財布(a-i-u)」などが考えられます。
母音を合わせた単語を即興で口にするということもすごいのですが、これだけでは終わらないのがラッパーのすごいところです。

例えば先程の単語を、

ふとコンビニへ走らせるバイク
そこで買う大量のアイス
だけど持っていった空の財布
買えずに家に帰り無駄にしたタイム

という風に意味が通るように韻を踏み即興で披露していきます。(下手ですみません。)

韻を踏むために話の筋が通っていないよりも、ちゃんとストーリー仕立てで話の筋が通っているという技術がすごいなと思います。

また、韻を踏むことによって、ただ話しているよりテンポ良く聞こえ、耳に残りやすくなりませんか?聞いているだけでも語感がよく、思わず口にしてみたくなって時間が空いても覚えているフレーズもあるほどです。

しかもプロのラッパーは3文字だけでは足らずに10文字以上でもことごとく韻を踏みます。
(太陽光発電、最高到達点、代表争奪戦など)
頭の中がどうなっているのだろうと思うくらい綺麗に母音を合わせて来るので、即興では到底素人ができない領域です。

歌詞・フレーズ紹介

ここで私のお気に入りの韻を楽曲やバトルから厳選し、紹介していきたいと思います。
それぞれ韻を踏んでいる箇所には太字や下線をつけています。

まずはZORNというラッパーの「かんおけ」から歌詞を一部抜粋します。

一度きりの人生 1秒1秒死へ 日常に忍び音 霧も切り通して
未知の道を行け 生きろ嬉々として 日々の意味を知れ
木々の幹の威厳 ミリの塵の人間
 明日のことなんてsiriも知りもしねぇ

でもまだ未来は俺等の手の中 今動いた嫁のお腹

ZORN/かんおけ
https://youtu.be/r8CEhAKJTbY

まさに徹底的に韻を踏んでいる歌詞です。全ての母音が一致しているわけではないのですが、少し早口で口にしてみると、「一度きりの人生(i-i-o-i-i-o-i-e)」という10文字のフレーズから9個もの長いフレーズが綺麗な韻で踏まれています。

1つの単語として踏むのではなく、助詞を使って言葉をつなぎ合わせて、更にそこでつながったフレーズも意味が通っているという高度すぎるテクニックがあります。

更に同じくZORNの「Don't Look Back」という楽曲でも、

この人生は選択の連続
ペンはトレンドより生活と連動

夢や目標はデカく持って行こう
まずは武道館って書く予定表

振り返る気ない 塗り替える未来
突き立てる誓い 踏み出せる今


誰の成功も参考にならねぇ
今日も作業着に缶コーヒー片手

ZORN/Don't Look Back
https://youtu.be/FQ_ryBw_0PQ

同じく徹底的に踏んでいます。初めは「の連続」「トレンド」「と連動」で踏んでいると思いきや、「生活と連動」という歌詞を聞くと「の連続」の前の「選択」から踏んでいるということがわかるかと思います。
このように1度聞いただけでは気づけない高等技術も歌詞には散りばめられています。

更に圧巻なのはICE BAHNというグループの「越冬」という楽曲です。
メンバーであるFORKが歌っている箇所を抜粋します。

この氷河期じゃ 能書きじゃなくて
ひねる脳がキー

要するに 猛吹雪を
毛布抜きで越えてく

肉弾戦でテクニック出せん奴は脱落だ
辛くても立つラクダみたいに前進する

飾らない 依然シースルーで見せてくのみ内面
まるで伸びない麺あったかさパッケージ 音と言葉が合併し

ICE BAHN/越冬
https://youtu.be/Hi_7ix67GFI

多すぎて太字にしてしまっては見づらいのであえてそのまま抜粋してみました。
まずは「氷河期」「能書き」「脳がキー」は(o-u-a-i)の母音で、「要するに」「猛吹雪」「毛布抜き」は(o-u-u-u-i-)の母音で踏まれています。

さらに後半の歌詞でも前の行から踏んでいることに気付けるでしょうか。
・「(越え)てく肉弾戦」「テクニック出せん」
・「脱落」「だ辛く」「立つラク(ダ)」
・「前進する」「(依)然シースルー」
・「のみ内面」「伸びない麺」
・「パッケージ」「合併し」

短い歌詞でもほとんどのフレーズがどこかのフレーズの韻を踏んでいます。まさに圧巻です。
韻ばかり重視して、あまり意味が通っていないと批判されがちですが、ここまで徹底されると認めざるを得ないでしょう。

最後に韻ではないのですが、番外編としてラップバトルから即興で披露されたフレーズを紹介したいと思います。

言葉漁っても ここはステージよく実力がでるか
あんた脅威じゃないらしい
頭が機能しなくなっても 俺は音といたいんだ

MC龍

このフレーズにはとある意味が含まれていることにお気づきでしょうか。

よく注目してみると、

言葉漁って(明後日)も ここはステージよく実(翌日)力がでるか
あんた脅(今日)威じゃないらしい
頭が機能(昨日)しなくなっても 俺は音とい(一昨日)たいんだ

即興で一昨日から明後日まで同音異義語で触れています。考える時間もないのに韻ではなくても言葉遊びで観客を魅了する素晴らしさがラップにはあると思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。実は紹介したラップだけでなく、J-POPなどでも韻が踏まれていることもあります。様々な楽曲の歌詞の韻に注目すると今まで気持ちよく聴こえていた理由がわかり、音楽をもっと楽しめると思うので、是非探してみてはいかがでしょうか。
紹介した楽曲も1度は聴いていただけると幸いです。

それでは今回はこのあたりで。
最後まで読んでくださりありがとうございました。