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デジタル音声広告とは

2022.02.08

マーケティング

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こんにちは、マーケティング部の松本です。
近年はすっかりリモートワークも主流となり、家で過ごす時間が増えたという方も多いのではないでしょうか。それに伴い、音楽配信サービスやラジオなどの音声メディアの需要も高まって来ました。
そんな中で新たに注目を集めている広告媒体が、デジタル音声広告です。
今回はそのデジタル音声広告について、簡単にではありますがご紹介出来ればと思います。お付き合い頂けると幸いです。

デジタル音声広告(オーディオアド)とは

元々音声のみで情報を伝えて販促を行うマーケティング手法はラジオ広告が主流でした。しかし、Spotifyなどの音楽配信サービスが生まれた事により、音楽配信サービスやインターネットラジオ音声メディアへの音声を用いた広告出稿をデジタル音声広告(デジタルオーディオアド)と呼ぶようになって来ました。
日本ではまだ耳にする機会が増えつつある広告媒体ですが、2018年にGoogleのDouble Click Bid Managerで音声広告の配信が可能になるなど、欧米においては既に広く普及し始めている広告手法の一つです。
デジタル音声広告はラジオのように音声を人の記憶や印象に残すブランディング・認知拡大効果をもちながら、インターネット広告の強みであるターゲティングも可能で、ラジオよりもパーソナライズした広告配信が可能になることが強みと言えます。原則、動画広告のようなスキップができないため、確実に広告を聴取者に届けられるアドフラウドレス性の高さも特徴です。

デジタル音声広告の市場規模

アメリカのインタラクティブ広告協議会の調査によると、アメリカのデジタル音声広告による媒体社収益は毎年増加しており、2016年には11億ドルであったのが、2020年には30億ドルを超えるまでに成長しています。日本円に換算すると3300億円を上回る金額であり、今後も引き続き音声広告への出稿は増えていくと考えられます。

日本における市場規模は、2020年の2月から3月にデジタルインファクト社が行った調査によると、2020年時点で前年比229%、16円規模になると予測されています。さらに2022年頃から急速な成長を経て、2025年には420億円規模になると見込まれています。アメリカなどの外国に続き、日本でも今後デジタル音声広告市場が伸びていくことが期待できます。

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(出典:https://digitalinfact.com/release200330/)

デジタル音声広告の特徴

高いターゲティング精度

多くのデジタル音声広告の媒体では、性別や年齢、聴取コンテンツなどのユーザー属性・趣味嗜好に対してのターゲティングが可能であるため、ラジオ広告では実現が難しかったターゲティング精度の高い広告配信が可能となります。
効率よくターゲットとなるユーザーへ広告を届けられるため、他の媒体では取りこぼしてしまう層のユーザーに対するアプローチも見込めます。

完全聴取率の高さ

Spotifyやradikoのような音声アプリによるデジタル音声広告の特徴として、完全再生数の高さが挙げられます。動画広告のようにスキップする事が出来ない広告が多いため、いわゆる無駄な広告配信コストの削減が可能となるのが特徴です。
配信した広告を確実にユーザーに届ける事が出来、完全聴取率も他の媒体より高い水準となっています。

ブランディング性能の高さ

ユーザーへの接触回数の多さにより、ブランド認知を高める効果が見込めます。
Nielsen Media Labが2017年に公開した調査結果では、Spotifyオーディオアドでは一般のウェブサイトのディスプレイ広告に比べて、ブランド想起が24%アップ、関心・購買意欲が2倍、広告理解が28%アップしたという調査結果が出ています。

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また、GoogleはGoogle Play Musicによる成功事例としてアメリカのMighty Hive社の事例を挙げています。
Mighty Hive社はメディアコンサルティング会社として、ToC向けの日常消耗品を販売するクライアントのためにGoogle Play Musicへの音声広告を出稿した結果、750万インプレッションとCTR0.11%、7,500クリックの獲得などの成果を上げたとのことです。

広告への抵抗感の低さ

Adobeが2019年に行ったデジタル音声広告に関する調査では、下記のような結果が出ています。

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18歳以上の米国の消費者1,000人を対象に調査した「ボイスレポート(2019 Voice Report)」によると、25%の人はスマートスピーカーで音声広告を聞いたことがあると答え、その多くの人が問題ないと回答しました。実際、消費者の38%が、音声広告はテレビ、印刷物、オンライン、SNSの広告より押し付けがましくないと答えました。さらに、39%の人は音声広告は他のチャネルの広告より興味を引くと回答しています。

【出典】Adobe Blog:https://blog.adobe.com/jp/publish/2019/04/05/dx-mwc-adi-voice-report-2019#gs.no491r

デジタル音声広告の媒体事例

Spotifyデジタル音声広告

世界2億人以上のユーザー数を誇る定額音声サービス『Spotify(スポティファイ)』の無料ユーザーに対し、楽曲間のブレイクに最大30秒の音声広告を配信するデジタル音声広告です。 Spotifyアプリ使用ユーザーに対し多彩なセグメントターゲティングが可能なことが特徴で、プログラマティック広告による配信を行う場合は、サードパーティーデータと掛け合わせることが可能で、さらに細かなターゲティングによる音声広告配信が可能になります。

radikoオーディオアド

radikoは、パソコンやスマートフォンでラジオが無料で聴けるサービスです。

radikoはラジオを聞く人々に一律に同じ広告を配信していた手法ではなく、過去に聞いた番組データや会員データ、位置情報からパーソナライズされた広告配信をする『radiko(ラジコ)オーディオアド』をリリースしました。
radikoではradikoが持つ全国各地の放送局から差し替え可能な広告枠を取得し、それぞれが持つ良質なコンテンツの間に広告を挿入する事が可能です。
また、プログラマティック配信では運用だけでなく位置情報ターゲティングやブランドリフト調査など、データを活用した配信も可能です。

Amazon adss 音声広告

Amazonでは、Amazon Musicの広告付き無料サービスで音声広告を活用できます。

Amazon Musicの広告付き無料サービスで音声広告を活用することにより、画面の枠にとらわれず、ブランドのリーチを拡大することができます。広告は楽曲の合間に再生され、EchoやFire TVなどのAlex対応デバイスのほか、モバイルおよびデスクトップでAmazon Musicの無料サービスを視聴するオーディエンスにリーチすることができます。

ポッドキャストオーディオアド

ポッドキャスト番組に、CPM(ダウンロード数に応じた)課金、ターゲティング可能という性質を持つ音声広告の配信が可能です。
これにより、これまでのディスプレイ広告のようなデジタル広告同様、予算に応じて広告配信量で課金される音声広告の広告出稿が可能となっています。

配信面としては、各種ポッドキャストアプリ、スマートスピーカー、ウェブサイト上のプレイヤー配信面へマルチプラットフォームで配信が可能です。
音声アドネットワークである「ポッドキャストオーディオアド」では、大手ラジオ局や新聞社がポッドキャストとして配信する音声番組に音声広告の配信をおこなうことができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、デジタル音声広告について、簡単にではありますがご紹介いたしました。
iPhoneのSiriをきっかけに、Googleの音声アシスタントや各社が販売しているスマートスピーカーを通じて、日本でも音声ベースのコンテンツや音声操作が浸透してきています。音声操作を特色としたスマートホームなども、近年ではよく聞くようになりましたね。
アメリカでの市場成長は今も著しく、日本でも追い掛けるようにこれからの成長が見込まれるデジタル音声広告の市場において、ますますユーザーに最適な広告ターゲティングができる機能の向上や広告出稿が可能な媒体の拡大が進み、媒体も増加していく事が予想されます。

これまでデジタル音声広告を取り入れていなかった企業にとって、デジタル音声広告を利用することで、また新たな側面からユーザーへアプローチする機会となり、ブランドアピールや販促の新しいきっかけを得る事が出来るようになるかもしれません。

弊社でもしっかりとアンテナを張り巡らせ、今後もデジタル音声広告についての理解を深め、クライアントへの提案に活かして行きたいと思います。

それでは、今回はここまで。
今後ともMEプロモーションをよろしくお願いいたします。