背景画像
BLOG

ブログについて

行動経済学入門

2025.02.13

マーケティング

サムネ画像

こんにちは。マーケティング部です。
私(筆者)は、大学生時代経済学部に在籍していたのですが、卒業してから少し経った今もう一度、経済学を学んでみようかなと思い、少し前に本屋さんに立ち寄りました。
その際に、経済学についての本を一冊テキトーに取り、購入して読んでみると実はそれは行動経済学の本だったのです。勘違いしてしまったものの、せっかく買ったのだからとパラパラ読んでみると、意外に興味深く、業務内容のマーケティングにも大きく関わっているなあと思いましたので、皆様に共有したいと思い、本記事を執筆することにしました。

普段のマーケティングブログよりも少し内容が固いかもしれませんが、最後までお付き合いいただけますと幸いです。よろしくお願いします!

※ちなみに手に取った本です。また、アフィリエイトリンクではないです。
大学4年間の行動経済学が10時間でざっと学べる

画像1

そもそも行動経済学とは?

そもそも行動経済学とはなんでしょう。
単語単体で見ると、少し難しいように聞こえますが、大枠はそこまで理解に苦しむ内容ではないと思います。
簡単に述べると、従来の経済学に心理学の要素を加えたものと言えるでしょう。
従来の経済学では、人が自分の利益を最大化するように行動する中では、モノやサービスの価格上がるとそれらの需要は下がっていくという当然の仮定(右肩下がりの需要曲線)を元に、それに関係する理論に関して考えることなどが行われてきました。

ただ、これはすべての事象について当てはまるものではないと言えます。
確かに先ほどの理論とは逆に価格が下がれば、人々の手に渡りやすいため需要も高まりがちと考えることができますが、エルメスのバーキンやケリーなど高級品はどうでしょう。
これら高級品などは、ブランド力や質などの観点から、元々の値段が高くなければ逆に需要が下がってしまいます。
人はモノやサービスを購入する際には、価格に着目しがちですが、これは一つの要素に過ぎず、商品の質やプレステージといった要素も大事にするのです。

つまり、人は経済学上では、合理的に行動するように考えられてたことが、実は心理的要因などが絡み合い、非合理的なことも行うだろうと考えることが行動経済学となります。

人間はほどよい選択をする

従来の経済学では人間は「超合理的にふるまう」、「超自制にふるまう」、「超利己的にふるまう」と考えられてきました。
しかし、本当にこのように行動するのでしょうか。

超合理的ではない

シャンプーを購入する場合を考えてみましょう。市場には数百種類のシャンプーがあると言われています。超合理的な経済人はそれら全てを比較、検討し自分に一番良いモノを選択するとされています。
ただ、そんなことはしませんよね。一般的には、自分の知っているシャンプー(認知集合)から、自分の要求を満たすシャンプー(考慮集合)へ絞り、最終的に自分が購入できるシャンプー(選択集合)を選びます。

もちろん、この認知集合の中に入っていないシャンプーが実は一番合っていたという場合もありますし、割引シールなどに惹かれて衝動買いしてしまうパターンも考えられます。
※ちなみにこの選択集合は大体2-8個と言われているらしいです。

そのため、自分のルール内で「ほどよく合理的にふるまう」のです。

超自制的ではない

次に自制的ではないということに関してお話して参ります。
ダイエットをしようとしてたが、美味しそうに見えたため、店舗でケーキ買ってしまったり、今しなければいけない課題があるのに、ゲームや漫画に勤しんでしまうといったことを経験したことはありませんか。

これらは、長期的で大きな利益よりも、目先の小さな利益に目がくらんでしまうという選好の逆転という現象です。
人は、一般的に時間が近いものに価値を見出すことが多いと言われています。
もし、今30万を渡されるか、35万円を1年後に渡されるか、選択する場合は前者を選択する人が多いのです。

つまり、人間は客観的な判断に欠けてしまうことが多く、「自制的とはかけ離れている」のです。

超利己的ではない

資本主義経済では、各々が自分の利益を最大化できるよう行動すれば、全体として最適な結果(インセンティブと競争)が生まれるようになっているとされています。
しかし、現実社会では、自分の利益とはかけ離れていることを行う人々も多数存在します。
災害時の寄付金や、ボランティア活動などがこれに当たります。
また、家族内での行動もこれに当てはまります。時には、自分を犠牲にしてでも、子どもを守ろうとする親もいます。
これらのように、自分の利益だけを目的に行動しないことも多々見受けられます。

以下で有名な最後通牒ゲームについて説明します。

1、まず2人を選び、そのどちらかに100ドルを与える
2、その人は自分ともう一人の分け前を、0ドルから100ドルの範囲で選択する
3、金額を決定した後、もう一人は受け入れるか、拒否するか、を選択する
4、もし拒否された場合は、どちらの人もお金を受け取ることができない

このようなルール化で行った場合、受け取りが30ドル以下だった場合の多くが拒否されることが確認されました。
受け取りを拒否すると1ドルも貰えないのにも関わらず、拒否することを選択する人が多かったということです。

そのため、あまりに不平等なことが起こると自分の利益を無視して、相手を罰するという非合理な行動をとる負の互恵性があるのです。

つまり、人は絶対に自分の利益を第一に考えるわけでなく、「ほどほどに利己的にふるまう」のです。

まとめ

いかがだったでしょうか。
世界で最も有名なマーケティング学者の一人のフィリップ・コトラーは「行動経済学はマーケティングの別称に過ぎない」と語っています。
マーケティングに関連する職業についていない場合でも、モノやサービスの本質を捉えるために行動経済学についての知識を深める必要はあると思います。

今回は行動経済学の基礎的な部分をお話しいたしました。
具体的に消費者の心理的に訴えかけるマーケティングの知恵は「マーケティングに活かす心理学」「マーケティングに活かす心理学-part2-」「マーケティングに活かす心理学-part3-」「マーケティングに活かす心理学-part4-」などで紹介していますので、興味のある方はこちらの記事も読んでいただけますと幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。