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デジタルマーケティングにおけるROIの考え方

2025.03.13

マーケティング

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こんにちは!マーケティング部の豊嶋です。
現在様々なデジタルマーケティングの手法がありますが、その中でも特に重要になってくるのが「ROI(Return On Investment)=投資収益率」の指標です。
多くのマーケティング手法がある中で、実際に行ったマーケティング施策がどれほど効果があったのか、投資に対する効果を正確に把握し分析することはビジネスにおいて非常に重要です。

そこで今回は「デジタルマーケティングにおけるROIの考え方」をテーマにして、「ROI」について詳しく解説していきたいと思います。

デジタルマーケティングにおけるROIの重要性

前述した通りROI(Return on Investment)は「投資収益率」を意味し、「ROI(%)=利益 ÷ 投資額 × 100」の式で算出することができます。

その中でもデジタルマーケティングにおけるROIは、「マーケティング活動に投じたコストに対する収益の比率」を示します。
例えば広告に1,000円を投資して、2,500円の売上を得た場合、ROI=150%となります。
※ROI=利益(2,500円-1,000円) ÷ 投資額1,000円 × 100=150%

そのため「実際に行ったマーケティング施策の効果があったのか」「効果があった場合、AとBの施策でどちらの方が効果があったのか」など、施策の効果を明確に評価することができます。
更に、ROIを基にマーケティング予算を調整することで、効率的な資金配分が可能になります。

ROIを活用するメリットと注意点

ROIを活用するとマーケティング施策に対する投資を明確に評価できる一方、算出する際に注意すべき点もあります。
以下に述べるメリット・注意点の要素を念頭においた上で、効果的に活用することが重要になります。

メリット

投資効果を客観的に評価できる
ROIを活用すると投資が利益に対してどのような成果をもたらしたかが可視化され、客観的な視点で評価することができます。それにより意思決定におけるミスが軽減され、利益最大化に向けた施策を実施しやすくなります。

行った施策を比較しやすい
ROIは投資額に対する利益の割合を示すため、規模やジャンルが異なる施策間の比較がしやすい点もメリットです。優先度や取捨選択の目安となり、どの施策にどの程度の予算を費やした方が良いかなどの予算管理にも役立ちます。
ただし、ROIは投資する施策内容、規模、期間など、さまざまな要因が影響するため、条件の差を念頭において比較することは大切です。なるべく近い条件のものを比較対象にすると参考にしやすいです。

業務改善につながる
ROIの算出によって業務の非効率な部分を特定、改善することで、企業全体の生産性や収益性の向上が見込めます。特に費用対効果の低い施策や問題点の発見は、各施策における適切な予算配分につながり、事業の持続的な成長をもたらすことができます。

注意点

数値化できない利益は計測不可
ROIは利益金額と投資金額をもとに算出するため、数値化できない利益や価値は計測できません。具体的には、企業イメージやブランド力の向上、口コミによる評判などが挙げられます。昨今では、インターネットやSNSの普及により、ユーザーが数値化できない分野に価値を見出すケースも増えているため、定量的なROIだけで判断しないよう注意が必要です。

長期的な投資効果の評価には向かない
ROIは、事業や施策の長期的な投資効果の評価には不向きです。算出時の利益額や投資額は現状のもののため、事業が今後どのように成長・衰退するかまでは予測できません。

ROIだけで費用対効果を判断すると、長期的な視点での取り組みが必要な事業や施策を切り捨ててしまうリスクもあります。ROIを絶対的な指標とするのではなく、ほかの指標と併用したり、評価期間別に計測したり、弱点をカバーできる手法を取り入れることが大切です。

デジタルマーケティングのROI向上に役立つ戦略

次にデジタルマーケティングを用いて、具体的にROIを向上させるための方法について述べていきます。
ROIを最大化するためには、「売上の増加」「投資コストの削減」が重要で、費用対効果の高いマーケティング手法を選択することが必要です。

コンテンツマーケティングとSEOの活用
まず始めに挙げられる手法が、コンテンツマーケティングです。
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値ある情報を提供することで自然検索による流入数を増加させ、SEO(検索エンジン最適化)を改善することができます。これにより、広告費を抑えつつ、サイト訪問増加により収益を増加させることが可能です。

具体的な施策としては、以下のような内容が考えられます。
・キーワードリサーチを行い、ターゲットに合ったコンテンツを作成する
・ランディングページやブログ記事を最適化して、コンバージョン率を向上させる

広告運用によるターゲティングの最適化
次にリスティングやSNS広告の活用が挙げられます。
広告は、精度の高いターゲティングが可能なため、ROIの向上に大きく貢献できます。
投資にかかる金額は他の施策と比較し高くつきやすいですが、その分改善を重ねることで見込まれる売上も多くなります。

具体的な施策としては、以下のような内容が考えられます。
・顧客データを基にターゲットを絞り込み、広告配信を最適化する
・A/Bテストを実施し、広告のパフォーマンスをデータに基づいて改善する

A/Bテストやランディングページの最適化
投資した広告費用を収益に直結させるために、A/Bテストやランディングページの最適化を行うことで、ROIを改善することができます。
例えば、A/Bテストを通じて広告キャンペーンごとの効果を分析して、最適なキャンペーンを選定することや、ランディングページのクリエイティブ改善などが挙げられます。

マーケティングオートメーションツールの利用
マーケティングオートメーションツールとは、顧客データの一元管理や施策の効果測定など、あらゆるマーケティング業務を自動化できるツールです。
これらを使うことで、業務の効率化や人件費の削減を通じて、ROIを向上させることができます。

具体的な施策としては、以下のような内容が考えられます。
・メールマーケティングやダイナミック広告でリードをフォローアップ
・顧客行動に基づいたターゲティングを自動化

Google Analyticsなどの解析ツールを使ったデータ収集
Google Analyticsを代表とする解析ツールを使用して、ウェブサイトのパフォーマンスデータを収集し分析することで、ROIに直結する要因を特定し改善に結びつけることができます。

具体的には、以下のようなデータをもとに改善施策を考察します。
・ユーザーの行動データ(ページビュー、滞在時間など)
・ユーザーのチャネルデータ(自然検索、ソーシャルメディア、有料広告など、どの集客経路から訪問者が来ているのか)

ユーザーの行動データからは直帰率が高い又は滞在時間が低いページの改善、ユーザーのチャネルデータからは、収益率が低い集客経路の改善などに着手することが可能です。

弊社では制作・マーケティング・データの各チームが連携をして、クライアント様のROI向上に努めております。
詳しい提供サービスについてはこちらをご確認いただければ幸いです。

よくあるROI測定の誤解とその対策

以上に述べたように、ROIはマーケティング活動の効果を測定するために重要な指標ですが、いくつか誤解が生じやすいポイントがあります。
正しい方法でROIを測定・分析することが、マーケティング活動を効果的に改善する上で非常に大切となるため、最後に誤解しやすいポイントを述べたいと思います。

ROIは短期的な利益だけで計算すべきだと思い込んでいる

よくあるケースとして、ROIを短期的な収益にのみ焦点を当てて計算してしまうことが挙げられます。
しかし、ROIの計算においては、短期的な利益だけでなく、長期的な効果(例えばブランド認知度の向上や顧客ロイヤリティの増加など)も含める必要があります。

そのため、ROIを計算する際はコンテンツマーケティングやブランド広告などすぐに収益に結びつかない活動も考慮に入れた上で、総合的に判断することが大切となります。
KPIなど成果を測る指標を、単なる売上に偏らず、認知度やエンゲージメントといった「長期的に見て重要な指標」にまで広げると、ROIの数値だけに惑わされず施策の判断が可能になります。

ROIを単一の施策に対してのみ測定するべきだと思っている
ROIは個別のキャンペーンごとにしか測定しないものと考えがちですが、デジタルマーケティングでは複数の施策が連携して収益を作っています。
例えば、SNS広告でユーザーをウェブサイトに誘導し、その後メールマーケティングにて最終的に購入を促進する場合、単一の施策だけでROIを測定するのは充分ではありません。

そのため、Google Analyticsなどの解析ツールを活用することで、検索広告、SNS、メールマーケティングなど幅広い施策のデータを統合し、総合的なROIを測定することが必要となります。
また、Google広告などではコンバージョンファネルの評価機能が発達しており、 ユーザーがどのように最初に接触し、最終的にコンバージョンに至ったのかを分析することで、どのタッチポイントがROIに貢献しているかを明確にすることもできます。
このようにマーケティング活動を俯瞰した上で、各施策におけるROIを評価することが大切となります。

結論とROIの重要なポイントまとめ

いかがでしたでしょうか。
デジタルマーケティングにおけるROIは、各施策の評価を客観的に行う上でとても重要な指標となります。ROIは単なる数字だけでなく、マーケティング全体の効果を考える指標であるため、ROIを正確に測定し、企業の成長にお役立ていただければ幸いです。

それでは本日はこの辺りで。最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回もよろしくお願いいたします。