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文字化けの直し方(zipファイル編)

2025.05.08

技術

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こんにちは。制作部の中山です。
以前の技術ブログで「文字化けの直し方(CSVファイル編)」をテーマに記事を書きましたが、今回はその第二弾になります。
文字化けはCSVファイルだけではなく、様々な場面、様々なツールにおいて発生します。頻度が高ければ対策をしっかりして待ち構えておくのですが、文字化けのタチの悪いところは、忘れた頃にふらっとやってきて、私たちを混乱と苛立ちの渦へと引き込んでいくところなのです。ああ…恐ろしい…。
ということで、今回は「文字化けの直し方(zip編)」と題して事例と対処方法をご紹介いたします。なお記事が長くなってしまうので、今回はWindowsに内容を絞った記事となります。お付き合いいただけますと幸いです。

zipファイルの文字化け

具体的な事例は次項でご紹介しますが、Windows7時代からPCをよく使われていた方にとっては「zipファイルを解凍したら文字化けした」といった経験が一度はあるのではないでしょうか?理由もわからぬまま解決方法を検索し、解凍ソフトをインストールして解決したという方がほとんどかと思いますが、これらのほとんどの原因は「文字コードの違いにより、エンコードがうまくいかなかった」ことにあります。
Windows7以降は、Windowsの標準ソフトがUTF-8に対応したため、エンコードエラーによる文字化けの発生率は大幅に改善しましたが、未だにこの件で問い合わせをいただくこともあり、文字化けとの完全決別とはいかないように感じています。

さて、それでは本題に入っていきたいと思います。ここからはzipでよく起きる文字化けケースとその対処方法をご紹介いたします。

Google Driveから複数ファイルを一括ダウンロード

まずは「Google Driveから複数ファイルを一括ダウンロード」した際に起きる文字化けの対処方法です。

【事象】

GoogleDriveで複数のファイルを一括ダウンロードする際には、自動でファイルがzip形式に圧縮され、ダウンロードが行われます。これを解凍してファイルを展開するわけですが、環境や解凍方法によっては、エンコードがうまく行われずに、以下の画像のようにファイル名の文字化けが発生します。

画像1

【対処方法】Windowsの標準解凍ソフト(エクスプローラー)を使う

とても基本的なことですが、Windows8以降のOSをお使いの方は、Windowsの標準解凍ソフトを利用しましょう。長くWindowsをお使いの方こそ、今までの文字化けの呪縛から様々な解凍ソフトを習慣としてインストールされているかと思います。
ただ、Windows8以降の標準解凍ソフトでは「UTF-8」のエンコードが可能になっています。逆に今までお世話になっていた「LhaPlus」や「+Lhaca」、「Winzip」等の有名解凍ソフトは「UTF-8」に対応しておらず、その役目を終えようとしています。今それらのソフトが、逆に新たな文字化けを生み出す原因になっているのです。

※Windowsの標準解凍ソフトで解凍圧縮ができるのはzip形式のみです。lzh形式やrar形式等、様々な形式のファイルを扱うことも踏まえると、次のケースの対処方法でご紹介している「高機能な解凍ソフト」の導入もぜひ検討してみてください。

Macユーザーから送られてきたファイル

【事象】

以前まではビジネスの現場においては、Windowsユーザーが圧倒的に多かったですが、iPhone等の普及もありMacユーザーが年々増えてきているように思います。

また仕事はWindows、プライベートはMacと使い分けされている方も多く見かけるようになりました。そんな中でよく起きるのが、Macから送られてきたzipファイルをWindowsで解凍した際に文字化けが発生するケースです。

【対処方法】解凍ソフトを見直し高機能なソフトを導入しよう

Macで作成されたzipファイルをWindowsで解凍した場合に文字化けする大きな原因は、もう何度言うんだよ…という感じですがエンコード(MacはUTF-8、WindowsはShift_JIS)の違いによるものです。
『それなら前項の「Windowsの標準解凍ソフト(エクスプローラー)」で十分じゃない?』という声が聞こえてきそうですが、それでは不十分と言えます。
zipには「UTF-8フラグ(UTF-8であることを明示するもの)」が定義されており、これはzipのヘッダー情報の中に追加されるものです。
このフラグの有無を確認し「Windowsの標準解凍ソフト(エクスプローラー)」等の解凍ソフトは、文字コードを判断するようですが、残念ながらMacで作成するzipには、現状このフラグが自動付与されません。

つまりWindowsの解凍ソフトからすると『UTF-8であってもUTF-8だと判断が出来ないので文字化けをさせる』といったところで、結局のところMacユーザー側がひと手間を加えてzipを作成するか、あるいは解凍するWindowsユーザー側が工夫をするか、どちらかしかないわけです。
今回はWindows側が出来る対処として、高機能な解凍ソフト「7-Zip」をご紹介いたします。7-Zipはオープンソースのフリーソフトウェアで無料で利用することができます。圧縮率が高く対応形式が多い点がメリットとして挙げられ、解凍ソフトの中でも主要なソフトといえます。

7-Zip概要
動作環境
(Windows版)
Windows 10/8/7/Vista/XP/2016/2012/2008/2003/2000/NT
※Windows用として「32ビット版」と「64ビット版」が提供されています
対応圧縮形式 7z, XZ, BZIP2, GZIP, TAR, ZIP, WIM
対応解凍形式 7z, XZ, BZIP2, GZIP, TAR, ZIP, WIM, AR, ARJ, CAB, CHM, CPIO, CramFS, DMG, EXT, FAT, GPT, HFS, IHEX, ISO, LZH, LZMA, MBR, MSI, NSIS, NTFS, QCOW2, RAR, RPM, SquashFS, UDF, UEFI, VDI, VHD, VMDK, WIM, XAR and Z.
関連リンク 公式:https://7-zip.opensource.jp/
Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/7-Zip
窓の杜:https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/7zip/

7-Zipのインストール手順

手順1 窓の杜の7-Zipのページにアクセスし、OS のバージョンに合ったインストーラーをDLします。(公式サイトからもDL可能ですが、重い時があるので窓の杜からのDLをオススメしています)
手順2 インストーラーのダウンロードが完了したら、ファイルを実行します。
※ユーザーアカウント制御の画面が出た場合は「はい」をクリック
手順3 インストールの先フォルダを選択する画面が出てきたら、フォルダを選択して「Install」をクリックして、インストール完了。
手順4 インストールすると、Windowsのシェルに統合されるためサクサクと圧縮や解凍ができます。利用する際は、右クリックメニューから「7-zip」を選択してご利用ください。

まとめ

今回は「文字化けの直し方(zip編)」と題しzipファイルに関する文字化けとその対処方法をご紹介してきました。実はこの記事には、もともと他のツールのことや、Shift_JISの歴史、システムロケール設定の使用レビュー等も盛り込む予定だったのですが、あまりにも文字数が多くなり収集がつかなくなり…「zip編」としてまとめることになりました。
ということで、今回盛り込めなかった内容を、また別記事でまとめたいと思いますので、次回もよろしくお願いいたします。

それでは今回はこのあたりで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。