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津波に備える、避難方法や注意点

2023.09.28

社内

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こんにちは。久々の防災シリーズになります。
近年、南海トラフ巨大地震について様々なニュースで注意を呼びかけています。その中でも、地震と同じくらい警戒されているのが、津波による被害です。

そこで今回は、津波が発生した場合の避難方法や注意点についてご説明したいと思います。

津波とは?

地震が発生すると、震源付近では地面が持ち上げられたり、押し下げられたりします。地震が海域で発生し、震源が海底下の浅いところにある場合、海底面の上下の変化は、海底から海面までの海水全体を動かし、海面も上下に変化します。このようにもたらされた海水の変化が周りに波として広がっていく現象のことを津波といいます。

津波と高潮の違い

「高潮」とは、台風や発達した低気圧により波浪(高波やうねり)が発生して、海面の高さがいつもより異常に高くなる現象をさします。

■「高潮」の特徴

①「津波」と比べて破壊力が小さい
②波長が短い(数m~数百m)、周期が短い(数十秒)
③海面が徐々に高くなる

「津波」とは、海底の急激な地形の変化により海面が盛り上がる現象を言います。
また、津波が押し寄せて来ると、陸上に入った津波は陸地の奥深くまで浸水(陸上を遡上)していきます。また、川では数kmも逆流して津波が上流へ昇って行く(河川を遡上する)ことがあります。逆に、津波が引き返して行くと、引き波が長く続くため、津波にさらわれ数kmも沖合いへ流されることになります。

■「津波」の特徴

①進む速度が速く、破壊力も非常に大きい
②波長が長い(数km~数百km)、周期が長い
③海岸付近で急激に波が高くなる
④2、3回と繰り返しやって来る
1回目よりも2回目、3回目の方が大きいことがある
⑤陸地の奥まで遡上したり、川を逆流することがある

波浪は海面の表面だけの動きですが、津波は海底から海面までの海水全体の動きとなります。そのため、津波が来ると、「波が来た」と言うよりも海面全体が盛り上がった(あるいは下がった)ように見えるため異常潮位のように感じます。

津波警報・注意報とは?

気象庁では、地震発生時に地震の規模や位置をすぐに推定します。これらをもとに沿岸で予想される津波の高さを求めて、 地震が発生してから約3分を目標に、大津波警報、津波警報または、津波注意報を津波予報区単位で発表します。

予想される津波の高さについて、通常は5段階の数値で発表します。ただし、地震の規模(マグニチュード)が8を超えるような巨大地震に対しては、精度のよい地震の規模をすぐに求めることができないため、その海域における最大の津波想定等をもとに津波警報・注意報を発表します。

その場合、最初に発表する大津波警報や津波警報では、予想される津波の高さを「巨大」や「高い」という言葉で発表して、非常事態であることを伝えます。その後、地震の規模が精度よく求められた時点で津波警報・注意報を更新し、予想される津波の高さも数値で発表します。

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参考記事:気象庁「津波警報・注意報、津波情報、津波予報について」

日本で一番大きな津波被害

2011年3月11日に発生した「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)」による津波では、津波自身の高さは一番高い所で21mを記録しました。また、「東北地方太平洋沖地震津波合同調査グループ」による調査により、岩手県大船渡市の綾里湾で局所的に40.1mの遡上高(海岸から内陸へ津波がかけ上がった高さ)が観測されました。

これらの津波の高さをビルの高さに換算すると、21mは7階建てに相当します。そして、40mは13階建てに相当します。

避難方法

津波は低いところを襲います。山の上の高台など、高いところに逃げましょう。
また、以下の標識の場所を認識していることも重要になります。

津波の避難では高台が安全ですが、海岸近くで付近に高台がない場所などでは、津波避難ビルや津波避難タワーが指定されている場合があります。海の近くでは、安全・危険な場所をしっかりと確認しましょう。

補助標識に、現在地の海抜が記載されている場合もあるので、自分たちが住んでいる地域の海抜も把握しておくと良いでしょう。

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補助標識

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海の近くで大きな揺れを感じたら、すぐに避難しましょう。揺れが小さくても、大きな津波が来ることがあります。また、津波警報より早く津波が到達することもあります。避難するかどうか迷う前に、必ず避難しましょう。

また、避難する際に地震による二次災害が予想されます。特に停電では信号も停止するため、迅速な避難が難しくなります。自動車などの避難も難しくなるため、徒歩圏内での避難場所を熟知しておきましょう。

「津波てんでんこ」

津波被害が多い三陸地方で「津波起きたら命てんでんこだ」と伝えられてきました。これは「津波が起きたら家族が一緒にいなくても気にせず、てんでばらばらに高所に逃げ、まずは自分の命を守れ」という意味です。
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では、お年寄りや家族を助けるために、一度引き返してしまい、多くの方が亡くなられました。

まとめ

今年で東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)から12年となりました。地震と津波の残した大きな爪痕はいまだに残っています。東北地方では、小中学校での避難訓練に津波の訓練を行うところもあります。
地震が多い日本では、津波の危険と隣り合わせで生活しなければなりません。近年、危険視されている南海トラフ巨大地震でも、津波の危険性が指摘されています。
災害を避けることはできませんが、被害を最小限に抑えることは可能です。緊急事態でも冷静かつ正しい避難行動を行えるように、日頃から知識を深めたり、情報を収集するように心掛けましょう。