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LANケーブルの定期的な見直しを

2021.02.09

技術

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こんにちは。制作部の中山です。

新型コロナウイルスの感染拡大以降、テレワークが推奨され、平日も休日も自宅で過ごす機会が増えたという人が多いと思います。 自宅で過ごす時間が長くなったことで、利用が急増しているのが光などの固定のブロードバンド回線です。今までは外出先での利用を目的とし、モバイル通信をメインに使われていた方も、テレワーク関連のサービス、ネットサーフィン、オンラインゲーム、動画配信サービス等の利用を目的に、自宅のインターネット環境を見直す機会が増えているそうです。

プロバイダー契約、回線工事、ルーター設定と進めていくことで、インターネットへの接続は可能になりますが、ここであわせて見直してほしいのがLANケーブルです。よく過去に買ったLANケーブルをずっと使い続けている方や、付属で貰ったLANケーブルを使いまわされている方を見かけますが、LANケーブルは「カテゴリ」という規格で分類されており、カテゴリごとに対応している通信速度や周波数が異なります。

LANケーブルのカテゴリ

下記に現在販売されているLANケーブルのカテゴリの性能をまとめています。
この表を見ていくと、数字が大きくなればなるほど通信速度が速く、伝送帯域が広くなることがわかります。伝送帯域とは、伝送に使われる最高周波数と最低周波数の差のことで、この幅が広いほど時間単位で送られる情報量が大きくなるのです。

カテゴリ 最大通信速度 伝送帯域
CAT5 100Mbps 100MHz
CAT5e 1Gbps 100MHz
CAT6 1Gbps 250MHz
CAT6A 10Gbps 500MHz
CAT7 10Gbps 600MHz
CAT7A 10Gbps 1000MHz
CAT8 40Gbps 2000MHz

それでは、なぜLANケーブルを見直す必要があるかという話しに戻しましょう。例えばネット回線の見直しを行っていて、光回線の中でも高速通信を謳うNURO光を契約したとします。公式サイトを見ると現在のNURO光の下りの最大速度は2Gbpsとされていますが、もしもお使いのLANケーブルがCAT5で最大通信速度が100Mbpsの場合、そのポテンシャルを最大限に発揮することは出来ません。

現在の光回線の速度は1Gbpsが主流ですので最低でもCAT5e以上、ゲーム機器でオンラインゲームをされる方であればCAT6やCAT6A程度のスペックはほしいところです。ご契約されている回線業者の通信速度を確認し、適切なLANケーブルを選ぶようにしましょう。

LANケーブルのカテゴリの確認方法

ここまでLANケーブルのカテゴリについてお話してきましたが、お使いのLANケーブルのカテゴリを把握されている方は少ないと思います。そこで次は、LANケーブルのカテゴリの確認方法についてご紹介していければと思います。

カテゴリ名

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まず一番はじめに確認してほしいのは、LANケーブル本体に「カテゴリ名」が印字されているかどうかです。
「CAT」からはじまる文字列が印字されていれば、それがカテゴリ名です。左の画像でいえば、赤の四角で囲んでいる部分に「CAT7」と印字されています。これで「このLANケーブルは、カテゴリ7だな」と分かるわけです。
印字方法の記載方法はメーカーごとに多少異なりますが、最近のLANケーブルはどれも分かりやすく記載されているので、すぐに見つけることができると思います。

配線規格名

画像2

次に、もしもカテゴリ名が印字されていなかった場合です。その場合に確認してほしいのが「配信規格名」です。左記の画像ですと、赤の四角で囲んでいる部分「TIA/EIA-568-B.2」が配線規格名にあたります。
これもメーカーによって記載が多少異なり、TIA/の前にANSIの文字が印字されていたり、されていなかったりしますが、文字の羅列の規則は基本的に同様ですので、すぐに見つけることができると思います。
配信規格名は将来的に更新される可能性もある為、都度最新情報を調べる必要があるかとは思いますが、参考までに現在のカテゴリと配信規格名の対比表を下記に記載いたします。
これを見ると、上記の画像のLANケーブルは配信規格名が「TIA/EIA-568-B.2」ですので、「CAT5e(カテゴリ5e)」のものであるとわかります。

カテゴリ 配信規格名
CAT5 ANSI/TIA/EIA-568-B.1
CAT5e ANSI/TIA/EIA-568-B.2
CAT6 ANSI/TIA/EIA-568-B.2-1
CAT6A ANSI/TIA-568-B.2-10
CAT7 ISO/IEC 11801
CAT7A ISO/IEC 11801
CAT8 ANSI/TIA-568.C-2-1

なお、もしもカテゴリ名も配信規格名も印字されていなかった場合は、回線速度や外観から調べる方法もあるようですが、今のスタンダードでは無いと割り切って、買い替えのタイミングとして捉えても良いように思います。

まとめ

LANケーブルはどれも見た目が一緒ですし、なかなか壊れるものでもないので、設置してから何年間もそのまま…という方も多いと思います。
賃貸にお住まいの方は、引っ越しのタイミングでインターネット回線の見直しを行うといった場合が多いと思いますが、戸建てにお住まいの方は、なかなか見直す機会がなく、長い間同じLANケーブルを使い続けている方も多いと思います。

LANケーブルも、インターネット環境を整えていくにあたっての大切な要素の一つですので、自宅で過ごす時間が増えたこの機会に、ぜひ一度見直しを行ってみてはいかがでしょうか?

それでは今回はこのあたりで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。