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GA4における計測指標の
変更点

2022.04.15

データ解析
GA4を学ぼう

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こんにちは!データ解析チームの豊嶋です。

前回までは「GA4を学ぼう」の第一回目~第五回目を通じて、基本的な設定やレポートの見方について解説いたしました。
しかし実際にGA4を活用するとなった際には、具体的な操作やレポートの分析方法、新しい指標の意味など様々な疑問点が浮かんでくるかと思います。

そこで今回からはより具体的な内容に焦点を当て、1つ1つのテーマを深掘りした記事を書いていこうと思います。

まず「GA4を学ぼう」の第六回目では、「GA4における計測指標の変更点」について解説していきたいと思います。

追加・変更となった指標

GA4では一部の指標において、従来のアナリティクスと比較して異なる点が生じています。
始めに従来のアナリティクスからGA4になったことで追加された指標や計測方法に変更があった指標について、解説していきます。

イベント

まずGA4において最も大きな変更といえるのが、「イベント」の指標です。

イベントとは、元々はPDFのダウンロードなど「ページ遷移を伴わないアクション」を意味しており、従来のアナリティクスにも存在していた指標でした。
しかし、GA4ではデータ取得の方法が「セッション単位」から「イベント単位」に変更になったことで、ページ遷移を伴う「ページビュー」「セッション」などを含むほぼすべてのデータが「イベント」として計測されるようになりました。

この変更により、これまでは別々に計測を行う必要のあったユーザーのサイト内の行動や、Webサイトとアプリ間での行動といったデータが統合的に分析出来るようになったのです。
そのため、ユーザーの行動をより正確に分析出来るようになり、精度が上がった解析ツールとなりました。

セッション

上記で述べた通り、GA4ではイベントが計測の中心となったことで、セッションもイベントとして計測されるようになりました。
そのため、従来のアナリティクスとセッションの計測方法そのものが変更となっています。

①セッション時間の計測方法の違い
まず従来のアナリティクスでは、セッション時間は「最後のページ表示時間と最初のページ表示時間の差」によって計算されています。
そのため、仮にランディングページで動画の視聴を行い長時間サイト内に滞在していたとしても、ページの遷移がなく1ページのみで離脱した場合は、セッション時間は0秒としてカウントされてしまいます。
しかし、それでは本来のユーザーの滞在時間を正確に数値化する事ができません。

一方GA4ではイベント単位でセッション時間を計測するようになったことで、セッション開始時にイベント「session_start」で計測され、「session_start」のイベント数がセッション数としてカウントされます。
そのことにより、セッション時間の計測方法が「最後のイベント発生時間とsession_startのイベント発生時間の差」で計測されるように変更になりました。

この計測方法の変更が行われたことで、動画を見た時間がセッション時間としてカウントされるようになり、より正確にユーザー行動を数値化出来るようになっています。

②セッションが切れるタイミング
従来のアナリティクスでは下記の3つの場合にセッションが切れます。

・30分以上操作がなかったとき
・参照元情報(ソース、メディア、キャンペーン、キーワード等)が変わったとき
・日付を跨いだとき

一方GA4では参照元や日付が変わった場合でも、30分以内の再訪であれば1つのセッションと見なします。
よって、GA4と従来のアナリティクスで並行して計測している場合には、GA4の方がセッション数が少なくなる傾向が見られます。

エンゲージメント

エンゲージメントとはユーザーのコンテンツへの関心を計測するためにGA4で新たに追加された指標になります。
公式のヘルプでは下記のように定義されています。

“サイトやアプリに対するユーザーの操作です。“

例:
コンテンツ配信者の場合は、ページを下方向にゆっくりスクロールするといった操作がエンゲージメントになります。ユーザーが記事の長さを確認するためではなく、内容を読むためにスクロールしていることを示すエンゲージメントです。
e コマースサイトの場合は、商品の詳細ページを閲覧する、特定のページに一定時間留まるといった操作がエンゲージメントになります。
オンライン バンキング アプリの場合は、口座の残高確認などです。
大学のサイトの場合は、情報動画の視聴などがエンゲージメントになります。

引用元:アナリティクス ヘルプ「エンゲージメント: 定義」

つまり、「ページビュー」「スクロール」「PDFのダウンロード」「コンバージョン」など、ユーザーがWebサイト上で起こしたアクションが全てエンゲージメントとして定義されているということです。

具体的には以下のいずれかを満たした場合に、エンゲージメントとしてGA4上にカウントされます。

①10秒以上の滞在
②コンバージョンの発生
③2回以上のスクリーンビューかページビューが発生

後述いたしますが、このエンゲージメントの指標が追加されたことでこれまで多くの人が活用していた「直帰率」の指標が廃止となりました。

項目が無くなった指標

計測方法がセッション中心からイベント中心になったことで、従来のアナリティクスにはあった指標のうち一部が、GA4では適用されなくなっています。

直帰率

GA4で無くなった指標として最も代表的なのが「直帰率」です。
直帰率はページの良し悪しなどを判断するために、これまで多くの方が使用されてきた指標かと思います。
しかし、GA4では廃止されております。
その理由としましては、直帰率で測れるユーザー行動に限界があったためです。

先ほども「セッション」のところで解説した内容と似た例になりますが、
これまではランディングページで動画を視聴したなどのアクションを行ったとしても、最初の1ページのみでユーザーが離脱した場合は直帰とカウントされ、そのページの評価が正当に行われませんでした。

このように近年はWEBサイト中心の分析から、アプリや動画を含めた複合的な分析が求められる時代に変化しているため、アナリティクスの分析指標の見直しも必要となっていたのです。
そのため、GA4ではそのような時代背景に合わせて、ユーザーのアクションを数値化した指標として「エンゲージメント」を新しく追加しました。

これにより、よりユーザー行動を正しく把握出来るようになり、直帰率だけでは測ることの出来なかった「ページの価値」が正しく評価出来るようになっています。

ランディングページ

もう一つGA4で無くなった指標として挙げられる指標が「ランディングページ」です。

こちらは正しく述べると、ランディングページの指標が用意されていないだけで、「探索」レポートより自らランディングページのレポートの作成を行う事ができます。 詳細の作成方法は下記の通りとなります。

まず、「探索」レポートから「自由形式」でのレポート作成を選択します。

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その後、「ディメンション」で「ページ/スクリーン」の項目から「ページタイトルとスクリーン名」を選択します。

画像2

次に「セグメント」で「イベント」の項目から「session_start」を選択します。

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以上でランディングページのレポート作成が完了となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか? 従来のアナリティクスとGA4ではこれまで主に活用していた指標の計測方法の変更や廃止、そして追加があり、大きく中身が変化しています。

そのため、単純に従来のアナリティクスの考え方のままGA4のデータを分析してしまうと、重要な改善点の見落としや数値の認識ミスなどにも繋がる可能性があります。
このような事態を防ぎ、GA4の機能を最大限に活用するためにも、完全にGA4に移行する今のうちから変更点をしっかりと把握し準備をしておきたいですね。

それでは本日はこの辺りで。最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回もよろしくお願いいたします。