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日常2021.05.13

ギリシャ神話が面白いんだ【前編】

こんにちは、クリエイティブ制作部の瀧来です。今回は、瀧来が中学高校時代に熱中したギリシャ神話について書かせていただこうと思います。というのも、先日「古代エジプト展」を訪れた影響でギリシャ神話熱が再燃してしまいました。タイトルからご察しの通り、本作は前編と後編の二段構えとなる予定です。そこで、前編はギリシャ神話の「神々の時代」について、後編は「英雄編」を予定しています。少し長くなってしまうかもしれませんが、お付き合いいただければ幸いです。

神話熱再燃のきっかけ「古代エジプト展」

再燃したきっかけでもある、「古代エジプト展」をまずはご紹介いたします。古代エジプトと聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。ピラミッド、ミイラ、などは有名どころかと思います。どこか神秘的でミステリアスな雰囲気をもつ古代エジプトは、独自の文化をおよそ3000年にもわたって繁栄させ、そしていつしか衰退していきました。
本展では古代エジプトの人々が信仰した「天地創造と終焉の物語」を、ドイツの「ベルリン国立博物館群エジプト博物館」のコレクションの中から約130点の作品で展覧しています。
【画像出典】https://egypt-ten2021.jp/

瀧来的見どころは、冥界の説明書である「死者の書」

死者の書をご存知でしょうか?死者の書とは、古代エジプトで信じられていた冥界に関しての書物です。死者の魂が肉体を離れ、アアルと呼ばれる楽園に至るまでの過程が描かれており、冥界の説明書とも言えます。紙はパピルスで、主に絵とヒエログリフという神聖文字で構成され、死者とともに埋葬される風習がありました。全ての魂は冥界を支配するオシリスという神の前で生前の行いについて裁判が行われます。そして裁判での証言の真偽を測るため、秤が用いられます。秤には真実の羽根と死者の心臓がそれぞれ乗っており、生前の罪や裁判での偽りがあれば、魂が重くなり心臓の方へ秤が傾きます。死者が真実を語り、生前の罪もなければ、隼頭のホルス神によってオシリスの治める死後の国へ導かれます。嘘偽りであれば、アメミットという魂を食らうワニに似た怪物に食べられてしまうのです。その神話通りの絵が描かれており、かつての信仰がリアルに感じられ、ミイラと埋葬されていたと思うとエジプト文明の片鱗に触れた感覚になり、おすすめです。

ギリシャ神話が面白い!

神話といえば、先に述べたエジプト神話、ギリシャ神話、北欧神話、日本にも神話があります。それぞれの国や地域で、ルーツや信仰の助けとして神話が語り継がれたことがよくわかります。そんな数ある神話の中でも瀧来が好きな神話がズバリ、ギリシャ神話です。

ギリシャ神話にハマったきっかけ

ギリシャ神話にハマったきっかけはこの「パーシージャクソンとオリンポスの神々」シリーズでした。ギリシャ神話と現代の世界を融合させたファンタジーで、神と人間との間に生まれた半神半人の少年パーシー・ジャクソンの危険かつ壮大な冒険譚が描かれています。このストーリーが抜群に面白いのです。ストーリーを読み進めていくうちに、自然とギリシャ神話の知識が身につきます。実際、当時なんとなくのゲームやテレビでの知識のみであった僕自身も楽しめた作品です。
そして作中に多くのギリシャ神話のオマージュが散りばめられているため、『もっと神話について知りたい!』と思えるこの作品は学習意欲を刺激します。原作はシーズン2まで展開されており、全シリーズと番外編を合わせると全12作まであります。長いなと思ったそこのあなた、ベースは児童書であり、アメリカでベストセラーにもなっています。大人でもメチャクチャ楽しめます。睡眠時間を削ってまでも次が気になる作品です。

このパーシージャクソンシリーズは2作だけですが映画化もされているので、ぜひご覧ください!
監督はあのハリーポッターや、ナイトミュージアムなどの話題作を手がけた監督です。しかし、予想した興行収入に届かなかったなどの理由で2作目で制作が打ち切られてしまいました。というのも、原作と映画ではストーリーが大きく異なっていたため、原作ファンから酷評だった経緯があります。本作は僕も鑑賞しましたが、確かにストーリーは大きく削られ、後にキーとなってくるシーンなども無かったことは残念でした。しかし、現代のCG技術と、ファンタジーの融合で、原作を知らない方は十分に楽しめる作品ではないかなと思います。
ちなみに、映画に納得できなかった原作者がドラマ版の制作を開始しているらしいので、今から楽しみです。ドラマ版であれば、映画よりも内容を組み込めますから、忠実に原作を再現できるのではないでしょうか。

【画像出典】
https://www.sayzansha.com/book/b358056.html

神話とはなぜ生まれ、語り継がれたのか

ギリシャ神話に限らず、神話とは何かを考えると、それは人々の想像力の結晶なのではないでしょうか。なぜ日が昇り、沈むのか、なぜ季節は移りゆくのか、オリンポスの神々の統治範囲や逸話を絡めて説明していたり、神々の日常や恋愛模様が、生々しく語られる。小説という概念が無かった時代のフィクションと言うべきでしょうか。そうした自然の仕組みに物語性を吹き込み、神々の生活を通して人々の業や欲を写すという、昔の人々の発想力だと考えています。また、人間の生みの親である神々が罪を犯していたから人間も度々同じ道を辿るという理由付けとも思えてきます。

ギリシャ神話の成り立ち

ギリシャ神話は、全ての神話に影響を与えた神話の元祖とも考えられています。そのため、様々なストーリーや名前の元ネタにもなっている為、元ネタに気がつくと大変面白いのです。

まずは、ギリシャ神話の成り立ちと歴史をみていきます。

もともと民間伝承で伝わっていた話を紀元前9〜8世紀にホメロスという詩人が英雄の話を、ヘシオドスという人がその英雄の前の時代、つまり神々の話をまとめました。いわば、エピソードゼロです。神々から英雄に繋がる物語、これは、日本の古事記の構成とも合致します。ギリシャ神話が古事記にも影響を与えていた可能性すら感じます。

やがて、口伝で伝わっていた神話が編纂されたギリシャはローマに吸収されます。そのローマすらも舞台となり、ローマ神話としての側面も見せ始めます。

しかし、暴君ネロと呼ばれたネロ皇帝の時代に、キリスト教を弾圧しきれず、キリスト教が国教となります。しかし、ギリシャ神話にはゼウスやポセイドンなど、多くの神々が登場します。キリストこそが神だとする一神教であるキリスト教と相反する信仰内容ですね。その為に、900年間もの間ギリシャ神話はタブーとされていました。

ギリシャ神話がもう一度日の目を浴びるのはルネサンスの時代です。そもそも、ルネサンスは文芸復興を指し、失われかけた芸術にもう一度光を当てた文化でした。ギリシャ神話をモチーフにした絵画や彫刻が生まれ、ギリシャ神話が再ブレークしたのです。

ギリシャ神話の構成

【神々の物語】:ホメロス編纂(親子喧嘩、ラブストーリー)
誰しも一度は聞いたことのある、全知全能の神ゼウス。しかしこのゼウスは最初から全知全能の神では無かったのです。親子三代にわたる究極の親子喧嘩を経て、全知全能の神へと成り上がったのです。神々だって恋をします。ゼウスをはじめとする、兄弟や他の神々同士の恋の物語も描かれています。

【英雄の物語】:ヘシオドス編纂(冒険物語)
ギリシャ神話でいう英雄とは、神と人間の間に生まれたハーフを指します。この英雄たちは、姿形は人間ですが、人間を超越した身体能力をもち、様々な危機から世界を救います。
ペルセウスやヘラクレスは、星座などでも聞きなじみがあるのではないでしょうか。

オリンポスの神々

オリンポスの神々は12人とされています。色んな名で呼ばれることはありますが、指している神は同じなのです。聞いたことのある神々もいるのではないでしょうか?ぜひ知っている名前を探してみてください。

権能 ローマ名 ギリシャ名 英語名 象徴
全能 ユピテル ゼウス ジュピター 鷲・雷
出産、結婚 ユノ ヘラ ジュノー 孔雀
海神 ネネプトゥヌス ポセイドン ネプチューン 三つ叉の矛
愛と美 ウェヌス アフロディーテ ヴィーナス 赤いバラ、エロス
軍神 マルス アレス マーズ 鎧兜、武具
太陽と占い アポロ アポロン アポロ 竪琴、月桂樹
狩猟と月 ディアナ アルテミス ダイアナ 三日月の髪飾り、矢筒
酒神 バックス ディオニュソス バッカス 果物の冠
旅人、使者 メルクリウス ヘルメス マーキュリー 伝令の杖
豊穣 ケレス デメテル セレス 麦穂の冠
炎、鍛治 ウスカヌス ヘファイストス ヴァルカン 金槌、番犬
知恵・軍略 ミネルウァ アテナ ミネルヴァ 盾、鎧、勝利の女神ニケ

いくつもある逸話の中から、一つご紹介します。結婚の神であるヘラは英語名でジュノーと呼ばれます。6月の英語名はジューン(JUNE)であり、これはヘラのジュノーが語源とされています。ジューンブライドと呼ばれ、6月の花嫁が縁起が良いとされているのは語源となったヘラが結婚の神だからなんです。

後世に語り継がれるエピソードたち

ここからは、ギリシャ神話の神々の時代編で生まれた、後世にも残っているエピソードをご紹介いたします。あれ、これどこかで聞いたことある…そんなエピソードもあるかと思います。

【1.有名な、愛と愛欲の神、アフロディーテ(ヴィーナス)の生まれ方】

ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」です。この絵画は題名の通り、ヴィーナスの誕生の瞬間を描いています。では、ヴィーナスはなぜ海の上で生まれることになったのでしょう。
その答えは、ギリシャ神話の中にあります。ヴィーナスの父ウラノスの横暴に腹を立てた妻ガイアと、息子クロノス(後のゼウスの父)が共謀してウラノスの男性器を切り落として海に投げ入れ、その時の泡からヴィーナスが生まれたとされています。愛の女神の生まれ方としては品に欠けますが、ある種のユーモアを感じます。

【2.かわいそうな境遇のヘパイストスの反撃】

ヘパイストスはゼウスとヘラの間に生まれた子でした。他の神々は美男美女として描かれていますが、このヘパイストスだけは容姿が醜いと明記されています。挙げ句の果てには生まれてすぐヘラに川に流され捨てられてしまい、その後も冷遇を受けます。しかしヘパイストスは炎と鍛治の神ですから、手先が器用です。ある日ヘラにある仕掛けを施した豪華絢爛な椅子を送ります。ヘラが椅子に座ったとたんその仕掛けで体を拘束され身動きが取れなくなってしまうのです。ヘラを解放する交換条件として愛の女神アフロディーテとの結婚を提示し、ヘラはこの条件を飲みました。
この結果、ヘパイストスはアフロディーテと結婚することになったのです。かなり内容を端折ってはいますが、めちゃくちゃな話です。しかし、ヘラの鼻を明かしたヘパイストスは応援したくなりますが、関係のないアフロディーテが可哀想過ぎます…

【3.開けてはいけないパンドラの箱】

触れてはいけない物に触れた際に、よく「パンドラの箱をあける」と言います。これは、神々から人間世界に送られた女性パンドラが持っていた箱に由来するものなのです。
その箱には、病気や悲しみ、妬みといった、人間に災いをもたらす概念が入っていて、パンドラは神々から絶対にその箱を開けてはいけないと神々から言われてました。しかし好奇心に負けて箱を開けてしまいます…。実はそれが神々の思惑でもあったのです。
箱を開けた途端に、災いばかりが世の中に解き放たれました。けれど箱をすぐに閉めたので、箱の底には一つ残ったものがありました。それは「希望」。だから人間は、生きていく中で辛いことや悲しいことがあっても、希望を持って生きていけるという逸話です。絶対にするなと言われるとしたくなってしまうのは人間の性なのでしょうか。何世紀も前の話にもこんな話があるのはとても面白いものです。

最後に

いかがでしたでしょうか、駄文を長々と述べてしまったかもしれません。ですが僕の神話熱だけはお伝えできたのではないでしょうか。

神話の面白いところは、先にも述べましたがあらゆる現象への理由づけだと考えています。
神さえも人間のように性格があって個性がある。人智を超えた現象に理由を与えるために先人が考えた壮大な物語なのです。

正直神話が本当に起きていたとは思っていません。個人としては小説の一つとして捉えています。しかし、さまざまな神話以外でこれほど綿密に練られ、長らく語り継がれた話があるでしょうか。

一つだけあります、聖書です。

厳密には聖書は神話ではありませんが、形態は近しいものを感じます。聖書の教えは全てが作り話かどうかの明記は避けますが、教えとしてある程度のフィクションが盛り込まれているのは確かです。その点では、神話は信仰の対象とされている聖書とはまた違った側面も持っているように感じます。

パンドラの箱のように日本で表現の一つとして使われるようになったものまであります。時代を超えて、海を越え表現方法にまでなった神話ですから、日本に限らず世界の、神話に対する愛着さえ感じます。また、様々な映像作品やが本に神話のパロディが差し込まれていたり、キャラクターの名前に使われていたりもします。少し神話を知っているだけでそうした暗示に気が付ける楽しみもあります。ぜひギリシャ神話に触れてみてください。今まで何気なくみていたワンシーンに暗示が含まれているかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。