背景画像
BLOG

ブログについて

アフタヌーンティーのすゝめ

2022.07.07

日常

サムネ画像

こんにちは、マーケティング部の松本です。
アフタヌーンティー、というものをご存知でしょうか?起源はイギリス貴族の習慣であり、近年は高級ホテルのラウンジなどで提供される事の多い、美味しいお茶と季節のスイーツや料理を頂くサービスの事です。
何を隠そう、私も最近経験する機会を得て、それからすっかりハマってしまいました。
今回はアフタヌーンティーについて、簡単にではありますがご紹介出来ればと思います。お付き合い頂けると幸いです。

画像1

アフタヌーンティーとは

「アフタヌーンティー」は、1800年代にイギリスの貴族の間で始まった習慣を指す言葉です。昼食と夕食の間の、小腹が空く時間に、パンやお茶をいただき、仲間と語らいながら過ごしたのが始まりといわれています。その後、高級なティーセットを使うようになったり、社交パーティーの場へと発展したりしたことで、礼儀作法なども生み出されたと言われています。
アフタヌーンティーは、イギリスの貴族たちの間では、ただのティータイムや食事という位置づけではなく、重要な社交の場でした。また、礼儀作法を学ぶというのもアフタヌーンティーの役割。礼儀として、正装で参加する必要があったのだそうです。
日本の習慣で例えるのなら、礼儀作法を学びながらお茶とお菓子を楽しむ、という点において、茶道に似ているかもしれません。

アフタヌーンティーといえば、思い浮かぶのは「ティースタンド」ではないでしょうか。三段ほどのスタンドに並ぶスイーツやスコーン、サンドイッチ。鮮やかで目にも楽しい写真たちは、「アフタヌーンティー」で検索すれば幾らでも見る事が出来ます。
季節の食材を生かしたメニューが選ばれる事の多いアフタヌーンティーですが、かつてのサンドイッチの定番は白パンにきゅうりを挟んだもの。また、ペストリーはフルーツタルトが選ばれる事が多かったようです。選択基準は、紅茶に合うか否か、であったのではないかと言われています。

日本におけるアフタヌーンティー

今ではホテルだけでなく、バーやカフェでも体験出来るアフタヌーンティーですが、いち早くその文化を取り入れたのは外資系ホテルでした。日本がバブル景気に湧いた1990年代、外資系ラグジュアリーホテルが続々と上陸をはじめ、その開業にあわせて英国の紅茶文化の象徴であるアフタヌーンティーを取り入れたのです。日本におけるアフタヌーンティーの始まりは、ホテル椿山荘東京のロビーラウンジ「ル・ダルジャン」でした。

1992年、椿山荘は国際的ホテルチェーン・フォーシーズンズ・ホテルズと提携し、アジア進出第一号となるフォーシーズンズホテル椿山荘東京を開業します。 重厚感漂うロビーを抜けて、ル・ダルジャンに足を踏み入れると、まるでロンドンのホテルに訪れたような優雅な雰囲気。そんな空間で味わうことができるアフタヌーンティーは、瞬く間に紅茶好き・イギリス好きの間で話題となり、流行に敏感な女性たちが押しかけました。ロビーにはウェイティングの列ができ、順番を知らせるポケベル20台が毎日フル稼動していたといいます。

アフタヌーンティーのマナー

初めてアフタヌーンティーに赴く際には、やはり少しばかり緊張するものです。場所がホテルのラウンジであったのならなおさら、ドレスコードやマナーについて、事前に調べておきたいものですよね。

お店の選び方

アフタヌーンティーは高級ホテルやレストラン、そしてカジュアルなティーサロンなど、今は幅広いタイプのお店で体験出来るので、アフタヌーンティーに行く時は目的に合わせたお店選びが重要です。
お店によって提供されるメニューのボリュームやお茶の種類、滞在可能時間などは様々です。

友人との歓談が目的なら長時間滞在することになりますので、滞在可能時間が長く設定されているところや紅茶のおかわりが無制限のところがいいですよね。一人で静かな時間を楽しみたいのなら、カジュアルな雰囲気よりも落ち着いたホテルのラウンジを選びたい所です。

予約した方が良い?

基本的には、アフタヌーンティーは予約が必須と考えておいた方が良いと思います。何しろ手の込んだメニューですので、当日いきなり行っても難しい事が多いでしょう。「アフタヌーンティー 予約」などで調べると、予約サイトが出てくると思います。中にはアフタヌーンティーの特集ページなどを設けているサイトもありますので、事前に予約しておきましょう。
また、お店によっては逆に事前予約は受け付けていない、ということもあります。突然行きたくなった時には、そういったお店を探してみると良いかもしれません。

ドレスコード

前述した通り、アフタヌーンティーは元々イギリス貴族の社交のひとつでした。だからという訳ではありませんが、個人的には気分を盛り上げるためにも、お洒落をして行きたいと思っています。

マナーとして、ホテル以外のアフタヌーンティースポットではそんなに服装に気を使わなくても問題ありませんが、ホテルでアフタヌーンティーをする時はカジュアルすぎる服装は避けた方が無難です。
ホテルによってはドレスコードを設けているところもあるので注意しましょう。女性はよそゆきのワンピースや華やかなジャケットなどを着用して行くことをおすすめします。男性はジャケットを着用して行けばOKです。なお、ジーンズは男女共に避けてほしいアイテムです。靴はスニーカー、サンダル、素足はNGです。
また、絶対にNGなのは半ズボンとタンクトップ。これはドレスコードがないホテルのラウンジでも入店を断られることがあります。

そして、男女ともにアフタヌーンティーをしに行く時は香水は付けないか控えめに。香水の香りがきついと、繊細な紅茶の香りが楽しめなくなってしまいます。自分だけならともかく、他のお客さんの迷惑にならないように気をつけましょう。

飲み物について

画像2

お店に着いたら、まず飲み物を選びます。 紅茶を中心に、ハーブティーや珈琲、中にはシャンパンをはじめとしたアルコールを選ぶ事が出来るお店もあります。 アフタヌーンティーというのだから紅茶を飲まなければならないのだろうか、と思われるかもしれませんが、はっきり言ってしまえば、好きなものをオーダーして問題ありません。 勿論、提供されるメニューに合わせた紅茶を選ぶのもアフタヌーンティーの楽しみの一つではあります。紅茶と食べ物の組み合わせのことはペアリングやマリアージュなどと呼ばれていて、その善し悪しで美味しさが大きく変わるとも言われています。

では、紅茶があまり好きではない人はアフタヌーンティーを楽しめないのでしょうか?
そんな事はありません。
楽しみ方は人それぞれ。どれだけ美味しい紅茶を飲もうと、自分が楽しいと思えなければそれは良い時間とは言えません。飲みたいものを選び、もし分からなかったり、メニューに合うものを飲みたければ、お店の方に素直に訊いてみましょう。

紅茶を飲む場合、基本的にティーポットで提供される事が多いです。では、二杯目は自分で注いで良いのでしょうか?
アフタヌーンティーが始まったヴィクトリア朝時代、ティーポットを持っていいのはアフタヌーンティーを開き、ゲストを招いたその家の女主人だけでした。ですから、招かれたゲストが自分でポットを持って自分のカップに紅茶を注ぐというのはマナー違反だったのです。
そういった起源からすると、二杯目を注ぐのはお店の方にお願いした方がマナー的には正しいと言えます。ですが、お店が混んでいたりすると、いつまでもカップが空のまま、なんて事になりかねません。そういった場合は自分で注いでしまいましょう。マナーの基本は、周りの人に不快感を与えないようにするためのもの。自分で二杯目を注いだところで誰を不快にさせるわけでもありません。

食べる順番

画像3

まず、正式なマナーでは、最初にセイボリーと呼ばれる塩気のあるものを食べ、次にスコーン、最後にデザートを食べる事になっています。ティースタンドで言うと、下のお皿から上のお皿へ。途中で戻ってはいけない、と言われています。 しかし、このマナーはヴィクトリア朝時代のものです。当時の貴族の館ではアフタヌーンティーのお皿もフランス料理のように一品一品サーブされていたので、マナーもこういう形になったと言われています。

現代の日本において、上記の順番を厳密に守る必要はない、と私は考えています。繰り返しになりますが、マナーの基本は、周りの人に不快感を与えないようにするためのもの。例えばデザートにアイスクリームがあるのに、順番を守って食べて行ったら、デザートに辿り着く頃にはアイスクリームは溶けてしまっているでしょうし、溶けないうちにと慌てて食べるのでは味もろくに分からないですよね。また、スコーンは焼き立てで提供される事が多く、お店の方も「温かいうちにどうぞ」と言葉を添えてくれる事が多いです。そんな時は、スコーンから頂く方がマナー、といえるのではないでしょうか。美味しいものは、美味しく食べられるタイミングで、美味しいうちに頂きましょう。
皿内の食べる順番としては、味の薄いものから濃いものへ食べ進めて行くと良いと言われています。これは先に濃いものを食べてしまうと、味の薄いものの味わいが薄れてしまうからですね。

食べ方のマナー

基本的に、ナイフとフォークを使いましょう。ティースタンドから自分のお皿へ移す時も手掴みではなく、丁寧に。ティースタンドから直接口に運ぶことは避けるのがマナーです。
ただし、スコーンだけはナイフを使わず、手を使って半分に割って食べるのがマナーとされています。なぜナイフを使ってはいけないかというと、それはスコーンの名前の由来から来るマナーなのです。

スコーンの名前はイングランド国王の椅子の中に入っていた石から来ています。イングランド国王の椅子の中にはスコットランドから奪った石が入っていました。その石はスコットランド王の戴冠式で使われていたもので、「スクーンの石」と呼ばれていました。スコーンはそのスクーンの石の形と似ていたので、スコーンと名付けられたのです。英語のスペルだとどちらも「Scone」と表記されます。
スコーンの名前の由来はそのように王様に関連するもの。だからこそ、そのスコーンへナイフを入れる、という行為は謀反を連想させ、イギリス人はスコーンはナイフで切らずに手でちぎるようにして来たのです。

ちなみにスクーンの石は1996年にスコットランドに返還され、現在はエディンバラ城で保管されています。

終わりに

いかがでしたでしょうか。
今回は近年流行しているアフタヌーンティーについて、簡単にご紹介させて頂きました。
私がアフタヌーンティーに触れたのは、友人から誕生日プレゼントにと招待チケットを頂いた事が切っ掛けだったのですが、今では数ヶ月に一度、自分へのご褒美としてアフタヌーンティーに赴いています。
一見女性向きとも思われるかもしれませんが、甘いものが苦でない方であれば、男性にもぜひ体験して頂きたいな、と思います。特に一人で味わうアフタヌーンティーは、落ち着いた雰囲気と美味しいお茶と食事、質の高いサービスなど、非日常感を満喫出来る最高の時間です。
忙しい時間を過ごしている方こそ、文庫本を一冊鞄に入れて、少しお洒落をして、アフタヌーンティーに行ってみませんか。きっと心地よい時間を過ごして頂けるのではないかと思います。

それでは、今回はここまで。
今後もMEプロモーションをよろしくお願いいたします。