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成人の日と成人式

2020.01.10

日常

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こんにちは、マーケティング部の松本です。
寒さの盛りである冬至も越えて新年を迎え、成人の日が近付いて来ましたね。もう何年前になるか分かりませんが、この時期になると自分の成人式の時を思い出します。朝早く起きて振袖と髪型のセットをして…中々大変でしたが、当日はとても晴れやかな気持ちでした。
先日も社内で成人式の思い出を語り合っていたのですが、そういえば成人式や成人の日の由来を知らないな、という話になりました。なので今回は成人の日について、少しお話が出来ればと思います。

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成人式の歴史

成人式の始まりは、男性は奈良時代まで、女性は平安時代まで遡ります。その頃は式というものではなく、通過儀礼のようなものでした。「男性の場合は元服」や「褌祝」、女性の場合は「裳着」や「結髪」などが成人の儀の始まりとされています。時代劇などで見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「元服」の儀では、数え年12~16歳の男子が氏神の前で大人の服装に改め、子供の髪型を大人の髪型に結い直したり、幼名から新しい名へと切り替えます。また、髪型を直す際に冠を着けることから、「加冠(かかん)」や「初冠(ういこうぶり)」とも呼ばれていました。江戸時代には貴族のみが儀式を細部まで継承し、貴族以外の人々は前髪を切り落とすだけに簡略化されていったそうです。

「裳着」というのは12~16歳の貴族の女子が行っていた儀式で、「裳(も)」と呼ばれる腰から下に纏う衣服を身に着ける事を指します。結婚が決まったときや、決まりそうなときが式のタイミングだったのだとか。現代の女性の結婚可能年齢は16歳(※2020年1月現在)ですが、8世紀、奈良時代には男性は15歳、女性は13歳で、明治4年頃には男性が17歳、女性は15歳。昭和22年に現在のように男性は18歳、女性は16歳に制定されました。時代に即して、徐々に引き上げられて来たのですね。今の感覚で言うと13歳は中学生でまだまだ子どもという意識が拭えませんが、当時の時代背景を鑑みると、あくまで推測の域を出ませんが、妥当な年齢だったのだろうと思います。

このように成人を迎えた事を祝する通過儀礼というものは、主に上流階級、貴族のしきたりである事が多く、庶民には庶民のしきたりがありました。それは地域によって様々で、例えば「一人で鹿を狩る事が出来るようになったら一人前」や「米俵を一人で運べるようになったら大人」とものも存在したようです。比較的多くの地域で共通して行われていたのは、13歳前後の男子が行う「褌祝(へこいわい、ふんどしいわい)」と呼ばれるもの。親戚の女性から贈られる褌を締めることで、一人前の証としたそうです。

さて、上記のような成人の通過儀礼は長らく受け継がれて来ましたが、今のように大人数で集まって執り行う「成人式」という催しは一体いつから始まったのかと言うと、第二次世界大戦後の1946年に埼玉県の現 蕨市で開催された「青年祭」だと言われています。
この催しは、日本が戦争に負けて誰もが心に深い傷を追う中で、未来を担う若者たちに希望を持ってもらうため、青年団長により企画され行われたものでした。これが全国へと広まり、現在の成人式になったのです。
全国へと広まったこの催しに触発された日本政府が、「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝い励ます」という趣旨で1949年に制定した祝日が「成人の日」。当初は1月15日に定められていました。何故1月15日かというと、元々元服の儀は新年最初の満月の日に行う風習があり、それに由来していると言われています。しかし、これは旧暦での話。現代の暦では1月15日が満月とは限りません。その後、2000年の祝日法改正(ハッピーマンデー法)により、「成人の日」は1月の第2月曜日に変更されました。
しかし、1月の第2曜日に定めてしまうと、決して元々の1月15日は成人の日にならないですよね。1月15日になる可能性がある日を選ぶのなら第3月曜日にすれば可能性はあるのに何故かというと、1月17日に「防災とボランティアの日」があるからなのだそう。これは1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災に因んで制定された記念日です。第3月曜日を成人の日にしてしまうと、この防災とボランティアの日と重なってしまう可能性があります。それを避けるため、成人の日は1月の第2月曜日に定められたのです。

成人の日自体は1月の第2月曜日と定められていますが、成人式をこの日に行わない市区町村も存在します。その理由のひとつは、成人式への出席率を上げるためです。成人式への出席率はおおよそ50~70%。この出席率を上げるため、各市区町村の行政は様々な施策を行っています。 例えば、千葉県の浦安市では市内にある人気のテーマパーク、「東京ディズニーランド」で成人式を行います。素敵ですよね。正装でテーマパークに行く事なんてそうありませんから、一生の思い出になりそうです。 また、他県の大学に通っている人が出席しやすいよう、大学生の春休みの時期に成人式を行う市区町村もあります。3月頃であれば、1月よりは寒さも和らいで着物でも出席しやすくなりますね。 降雪地帯では天候が悪い1月を避け、真夏に成人式を行うこともあります。これもまた、地元を離れた人が出席しやすいよう、夏休みの時期が選ばれる事が多いそうです。 一生に一度きりの成人式ですから、行政としても出来る限り多くの人に参加してもらえるように、色々と工夫を重ねているんですね。

振袖

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余談ですが、成人式といえば女性は振袖を着る事が多いですよね。とても華やかで美しい振袖姿の女性が大勢集まる光景は目の保養ですが、そもそも何故成人式で振袖を着るかご存知ですか?
着物は日本の民族衣装であり、同じ着物でも年齢や立場によって形が違います。その中で振袖は未婚の女性の第一の正装なので、成人式という冠婚葬祭の「冠」に当てはまる成人式では振袖を着るのが一般的です。
振袖の長い袖を振る仕草には「魔を祓う」「厄除け」などの効果があるとされていて、昔は子どもが病気や厄にとりつかれないようにという願いを込めて着せていた時代もありました。成人式で振袖を着ることには「人生の門出において身を清める」という意味合いも込められているのですね。
ちなみに、江戸時代の初期の踊り子には、袖を振る事で愛情を示し、袖に縋ることで哀れみを請う、という風習もありました。男性から好意を伝えられた時に、自分も好意を返す場合は袂を左右に、お断りする場合は袂を前後に振ったと言われています。現在でも使われている、恋愛関係の「振る」「振られる」という言葉はここからきているのだとか。また、既婚の女性の正装である留袖は、袖を振る必要がないため、袖の丈が短く詰められているそうですよ。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
成人の日というのは「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝い励ます」日。その日を新成人として迎えられるのは一生に一度きりです。新成人の方は期待と誇りを持って。周囲の人は祝福と応援の気持ちを持って、皆が喜びに満ちた素敵な一日を過ごせますように。

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