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食べ物と体温の話

2023.11.30

日常

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こんにちは、マーケティング部の松本です。
2023年もいよいよ秋がやってきました。長く感じた夏の名残も少しずつ薄れ、日中も過ごしやすい日が続くようになりましたね。これから少しずつ冬に向けて気温が下がっていくのだと思うと暑さに耐えてきた体には嬉しいような、寒いのはそれはそれで困ってしまうような、そんな複雑な気持ちです。
さて、隨分と長く暑く感じた夏の間。みなさんはどうお過ごしでしたか?私はつい、冷たい飲み物や食べ物で体を冷やしたくなってしまい、特にアイスやかき氷を好んで食べていたところ、ものの見事に冷え性の兆候が見られるようになってしまいました。
人間の体にとって冷えは大敵、万病の元と言われています。夏の間は暑さに屈してしまったわけですが、過ごしやすくなったこの秋からは冷え性を直し、しっかり体を温めて過ごそうと色々調べていたところ、以前から時折耳にしていた「体を温める食べ物」と「冷やす食べ物」に辿り着きました。今回は人間の資本である食から体を好調に保つのに必要な「体を温める/冷やす食べ物」について、簡単にではありますがご紹介できればと思います。お付き合いいただけますと幸いです。

体を温める/冷やす食べ物

体が冷えたとき、私達はまず外側から温めようとします。厚着をしたり、靴下を履いたり、カイロや暖房を使ったり。それとは別に内側から体を温めるアプローチ、それこそが体を温める/冷やす食べ物についての知識を得て、活用することです。一番分かりやすいものとしてはやはり、温かい飲み物でしょうか。どれだけ外側から体を温めても冷たいものばかり口にしていては、どうしても芯の部分が温まらずに冷えてしまいますよね。では単に全て暖かく調理をして口に入れれば良いのかというと、それも違います。温度は高く、口に入れたときは温かくても結果的に体を冷やす作用のある食べ物もあるため、それぞれの食べ物の持つ特性についてしっかりと理解をすることが大切です。

食べ物が持つ「温/冷」の性質

食べ物にはそれぞれ性質があり、それは調理法や加工方法によっても変動します。東洋医学では体を温める食べ物を「陽の食べ物」、体を冷やす食べ物を「陰の食べ物」と区別しています。また、中国の伝統的な医学に「薬膳」というものがあります。すべての食べ物には薬効があり、食材の持つさまざまな性質や効能を活かして食事として取り入れることで、心身のバランスを保ち、病気を未然に防ぐ働きがある、という考え方です。この薬膳では、食べ物が体内に入った時の性質を「寒」「涼」「温」「熱」の四つに分類し、四性と呼びます。また、どちらにも属さないものを「平性」と呼び、これを含めて五性ということもあります。
※薬膳や漢方、医学については様々な書籍や説があるため、ここでご紹介していることが全て正しいわけではありません。

寒涼性:食べると内臓を温める性質
温熱性:食べると内臓を冷やす性質
平性 :食べると寒涼性や温熱性を中和したり、おだやかにする性質

食べ物の性質の見分け方

体を温める食べ物と冷やす食べ物の見分け方にはいくつかの法則があります。必ずしも全てがこの法則に当てはまるというわけではありませんが、傾向をつかむことで毎回調べなくとも大体予想できるようになります。

育つ環境

寒い地方で育つ食べ物は温熱性のものが多く、反対に南国などの暖かい地方で育つ食べ物は寒涼性のものが多いとされています。

旬の時期

冬が旬のものは温熱性、夏が旬のものは寒涼性のものが多いとされています。特に夏の旬野菜であるトマトやキュウリ、ナスなどは体を冷やす野菜として有名ですよね。よく「旬の食べ物を食べよう」と言われますが、これはそれぞれの季節に合った性質を持つ食べ物を取り込んで体の調子を整えるという側面からもとても理に適っている考え方なのです。

発酵しているかどうか

発酵食品に入っている酵素は新陳代謝を促して体を温める効果があります。大豆自体は平性ですが、発酵させて納豆・味噌・醤油などになると温熱性に変わります。これは牛乳からチーズになった時も同じと言われています。また、日本酒や紹興酒も発酵して造るお酒であるため、温熱性です。

オレンジ色や黄色の野菜・果実は温熱性、白や緑、紫の野菜や果実は寒涼性と言われています。暖色と寒色で覚えやすいのですが、暖色でも寒涼性のトマトや柿など例外もありますので、他の見分け方の次に参考にすると良いかもしれません。

成分

水分が少ない・ナトリウムを含むものは温熱性、水分が多い・カリウムを含むものは寒涼性のものが多いです。例としては大根があり、旬は冬なのですが寒涼性です。水分が多く、また前述した色も白なので、複数の法則を元に考えることが大切です。

加工・精製方法

前述した通り、大豆が納豆や豆腐になるように同じ食べ物でも加工・精製方法によって性質が変化することがあります。例えば南国で育つ果実は生で食べると寒涼性ですが、ドライフルーツにすると性質が和らぎ平性寄りになります。また柿は寒涼性ですが、干し柿は温熱性です。大根も寒涼性ですが、切り干し大根にすると平性となります。
精製方法ということで砂糖を例にあげると、北海道で育つ甜菜から作る甜菜糖は温熱性ですが、主に沖縄などで育つサトウキビから作られた白砂糖は強い寒涼性を持っています。同じサトウキビから作る黒砂糖は未精製のため成分が少し異なり、白砂糖よりも寒涼性は緩やかと言われています。

食べ物の温熱性/寒涼性/平性の例

分類 食べ物
温熱性 牛肉、羊肉、イワシ、アジ、うなぎ、エビ、生姜、シナモン、山椒、唐辛子、にんにく、もち米、黒砂糖、栗、八角、長ねぎ、香菜、松の実、みかん、栗
寒涼性 マグロ、カニ、アサリ、ゴーヤ、ほうれん草、春菊、セロリ、冬瓜、ナス、小麦、ごぼう、大根、きゅうり、トマト、豆腐、白菜、バナナ、梨、柿、そば、緑茶、塩、白砂糖
平性 鮭、サバ、サンマ、キャベツ、さつまいも、じゃがいも、ブロッコリー、ニンジン、長いも、大豆、とうもろこし、じゃがいも、さつまいも、卵、クコの実、うるち米、はちみつ、黒きくらげ、りんご、ぶどう、黒豆

体を温める飲み物

食事を変えるのはなかなか大変なもの。これからの季節に手っ取り早く体の温度を調整するため、一番簡単な飲み物をご紹介します。

飲み物 說明
紅茶 材料が同じ緑茶は体を冷やす飲み物に分類されますが、作る過程で発酵されている紅茶は温熱性です。その際、体を冷やしやすい白砂糖は入れないようにしましょう。甘みが欲しいときはメープルシロップやドライフルーツ、はちみつがおすすめです。
生姜湯・生姜紅茶 体を温めることで有名な生姜はパウダーやティーバッグなど様々な形で売られているので、ぜひ一度飲んでみてください。
カモミールティー カモミールには発汗作用があると言われていて、カフェインも入っていないのでいつでも飲むことができます。
ココア・黒豆茶・赤ワイン ポリフェノールの血管拡張作用により、血流を良くしてくれます。
日本酒・紹興酒 ポリフェノールの血管拡張作用により、血流を良くしてくれます。
白湯 水分を取るときは冷たいままではなく温かい白湯にしてから飲むと良いとされています。しかし白湯も飲み過ぎると冷えに繋がりますので、生姜湯にしたり量を調整するなど工夫して体を温めましょう。

終わりに

いかがでしたでしょうか?今回はごく簡単にではありますが、食べ物が持つ体を温める/冷やす性質についてご紹介いたしました。ただ、今回ご紹介したのはあくまでも考え方の一つです。豚肉を例に上げると、豚肉自体は寒涼性に分類されると言われていますが、そもそも豚肉を生で食べる機会は少なく、大抵火を通して食べるのだから変化後の平性を性質とする、という考え方もあります。薬膳や東洋医学などは歴史も古く、本当に様々な考え方や解釈がありますので、あくまでも参考までに考えていただけると幸いです。
また、今回は秋から冬に向けて体を温める性質の食べ物を多くご紹介いたしましたが、体を冷やす性質の食べ物を食べてはいけない、ということでは決してありません。寒涼性の食べ物は体の熱を下げてくれるため、熱っぽいときや自律神経が乱れたとき、体の底に気だるい熱が溜まっているように感じるときなどは寒涼性の食べ物を摂取してみましょう。

大切なのは自分の体の状態をよく考えて、不足しているものを補うため、不調を改善するために食べ物や飲み物を選ぶことです。その選択肢を増やすために今回の記事がお役に立てたのなら嬉しく思います。
それでは、今回はここまで。
今後ともMEプロモーションをよろしくお願いいたします。