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自律神経と睡眠の質
2024.03.07
日常
こんにちは、マーケティング部の松本です。
最近、暦に似合わない気温の日が多い気がしませんか?三月だというのに場所によっては夏日のように気温が上がり、その翌日には真冬の如く冷え込んで。そんな気温の乱高下が続くと、どうしても身体の調子が崩れることがあるかと思います。私の周りでは「眠りが浅くなった」「寝付きが悪くなった」という声が多く、睡眠の質が下がると日中のパフォーマンスにも影響が出るためなかなか深刻かつ、自己管理の範疇とはいえども自然の影響には勝てない、と頭を悩ませる問題となっています。
これは私事なのですが、私自身も数年前まで非常に睡眠の質が低く、ベッドに入って目を瞑り続けても二時間、三時間寝付くことが出来ず、漸く眠れても些細な物音で目を覚ましてしまって、日中もずっと頭が重いという状態が続いていました。ある時一念発起して、睡眠の質を改善するために環境を変える事も含めて色々と試した結果、今では寝付くまで五分とかからず朝まで目が覚めることもない、規則正しい睡眠を得ることが出来ています。その経験が今まさに睡眠に悩んでいる方の一助になればと思い、今回は睡眠の質の改善について筆を執ることにいたしました。お付き合いいただけますと幸いです。
なぜ気温の変動で睡眠の質が変わるのか
そもそもなぜ気温の変動によって睡眠の質が変わるのかというと、自律神経が乱れることが原因であると言われています。
人間の身体において、体温の維持に重要な役割を担うのが自律神経です。外気温が高いときは体温を下げるために血流を活発にして、汗をかいて熱を発散します。一方、気温が低いときは血流を滞らせ、毛穴を閉じて体温を逃さないようにします。
多少の気温の変化であれば自律神経は正常に働きますが、この気温差が大きくなると体温を一定に保つために自律神経が必要以上に働いて体内のエネルギーを過剰に使ってしまい、その結果身体に疲労が蓄積します。これは寒暖差疲労と呼ばれています。
この寒暖差疲労が肩こりや頭痛、めまい、倦怠感、不眠などの不調を引き起こすとされているのです。
自律神経の働き
自律神経には交感神経と副交感神経があり、この二つのバランスが整っている状態が理想的な身体の状態と言われています。逆に言えばバランスが崩れていると、身体に何らかの不調が出やすいというわけですね。
交感神経 | 副交感神経 | |
---|---|---|
特徴 |
|
|
脳 | 興奮する | リラックスする |
気管支 | 拡張する | 収縮する |
心臓 | 脈拍と血圧の上昇 | 脈拍と血圧の低下 |
血管 | 収縮する | 弛緩する |
胃腸 | 蠕動の亢進、消化液の分泌の減少 | 蠕動の低下、消化液の分泌の増加 |
筋肉 | 緊張する | 弛緩する |
体温 | 高い | 低い |
この二つのバランスについて睡眠に関わる点で言うと、夜は副交感神経の働きが優位になり、逆に交感神経の働きが抑えられるのが正常な状態です。それによって身体がリラックスし休息を取る状態へと導かれます。同時に疲労を回復し、目覚めた時には身体が元気になっているという仕組みです。
しかし、寒暖差疲労によって自律神経が乱れると夜になっても交感神経から副交感神経への切り替えが上手くいかず眠る時になっても交感神経の働きが強いままになったり、寒暖差疲労によって体温調節機能が衰えて夜になっても体温が下がらず、交感神経が働き続けた結果寝付きが悪くなってしまうと言われています。
自律神経の整え方
自律神経の乱れが睡眠の質の低下に繋がるのであれば、自律神経を整えることで睡眠の質を上げることが出来るということになります。ではどうやって整えれば良いのでしょうか。
気温に適した服装やアイテムを活用する
暑い時には通気性の良い服を。寒い時には保温性の高い服を。ごく当たり前のように思えますが、とても大切なことです。フォーマルな上着やネクタイなどの身体を締め付ける窮屈な服装は、自覚していなくとも心身にストレスを与えると言われています。
ただ現代では電車や建物の中で強く冷暖房が効いていることもあり、服装による体温調整がなかなか難しい事も多々あります。上着や羽織物などを持ち歩いて、気温に合わせてすぐに着脱できるようにしておくことが大切ですね。
また、最近は冷感グッズも種類が豊富に売られていますので、暑い時には制汗剤などと併せて持ち歩いて体温調整の助けとして活用するのも大切です。寒い時にはマフラーや手袋、腹巻、カイロなど、防寒グッズを活用しましょう。
窮屈であったり気温に適さない服装は心身にストレスを与え、ストレスは自律神経の乱れに繋がります。また体温調整が上手くいかない状態が続くと、それもまた自律神経の乱れに繋がります。服装やアイテムを上手く活用してストレスなく、適切な体温を保つようにしましょう。
食生活に気を遣う
偏った食生活は自律神経の大敵です。バランスよく栄養素を取ることが大切ですが、その中でも不足すると一際自律神経の乱れに繋がりやすい栄養素を幾つかご紹介します。
栄養素 | 効果 | 食品の例 |
---|---|---|
トリプトファン |
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ビタミンB群 |
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ビタミンE ビタミンC |
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カルシウム |
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こまめな水分補給
水を飲むと副交感神経が活性化しやすくなります。交感神経が優位になりすぎると自律神経が乱れてしまうため、水分を摂って副交感神経を適度に刺激することが大切です。
特に、起床後にコップ一杯の水を飲むのが良いと言われています。起床直後は交感神経が一気に活発化しやすい状態になっているため、水分補給によって副交感神経を活性化させることで自律神経のバランスが整いやすくなります。
また、こまめな水分補給は身体の巡りをよくするうえでも重要です。具体的には血行を促進することで栄養を身体の隅々まで行きわたらせ、全身の疲労を回復する効果があります。疲労を回復させるとストレスが減るため、自律神経も整いやすくなります。
ただし冷水は内臓を冷やして胃腸に負担をかけやすいので、水分補給にはできれば常温の水や白湯などがおすすめです。
太陽の光を浴びる
太陽の光を浴びると、体内でセロトニンという物質が生産されます。セロトニンは副交感神経から交感神経への移行をスムーズにする働きがありますので、起床後に太陽の光を浴びてこの移行がスムーズになると、眠気が覚めて頭がスッキリしやすくなる効果があると言われています。
また、起床後の太陽の光には体内時計をリセットする作用があります。身体のリズムが整いやすくなるため、自律神経のバランスも整いやすくなります。昼間は精力的に活動し夜は自然と眠たくなるというように、メリハリのきいた生活を送りやすくなります。
首の周りを温める
首を温めると首や肩周辺の凝りがほぐれて、身体の緊張が取れやすくなることが期待できます。心身がリラックスするので副交感神経の活性化も期待できます。
また、首には太い血管がありますよね。そこを温めることで全身の血行が良くなり、自律神経も整いやすくなります。
首を温めるにはホットタオルや温熱シートの利用がおすすめです。またタイミングとしては就寝三十分前がおすすめです。そのタイミングで首を温めて体温が上がりつつ副交感神経の働きが上がってバランスが保たれ、そこから少しずつ体温が下がるのに伴って副交感神経が優位になり、眠る時には丁度良く副交感神経が働いて睡眠の質が良くなるという効果が期待できるというわけです。単純に心身をリラックスさせる効果も高いため、日中に疲れを感じた時もぜひ首を温めて心身をリフレッシュしてみてください。
適度な運動をする
適度な運動には自律神経を整えるだけでなく、様々な効果があります。
代表的な効果はストレスの発散です。慢性的なストレスは交感神経を刺激し、自律神経の乱れを引き起こします。適度な運動はそのストレスによる自律神経の乱れを防いでくれるのです。
最も効果のある運動方法は、深呼吸しながら行う有酸素運動だと言われていて、軽いランニング、サイクリングやウォーキングなどが効果的です。目安としては一日二十分ほどだそうです。運動、と意気込まなくても、通勤や買い物で少しでも多く歩くことを意識してみたり、階段の上り下りなど日常生活の中に運動を取り入れることも手軽で効果的なのでおすすめです。
ただしどの運動を行うにしても、無理のない範囲で行うことが重要です。身体を鍛える目的ではないので、ストレスを感じない程度の軽く心地良い継続しやすい強度が理想だと言われています。
生活リズムを整える
どれだけ自律神経を整えようとしても、生活リズムが乱れていては当然ながら睡眠の質を高めることは難しいです。食事は三食、できる限り同じくらいの時間に毎日摂りましょう。早寝早起きとまでは言わなくとも、毎日眠る時間と起きる時間は同じくらいになるように。一気に生活リズムを変えようとするとそれ自体がストレスになってしまいますので、少しずつ、出来ることからやっていきましょう。
特に、朝目覚めて太陽の光を浴びると体内時計がリセットされるので生活リズムも整いやすくなります。朝食と併せて欠かさないように心掛けるだけでも、ぜひやってみてください。
リラックスする時間を作る
副交感神経に程よい刺激を与えることに有効だと言われている事柄の中には、音楽を聴くことや読書、深呼吸などが挙げられます。また、笑顔を作ることも副交感神経を刺激して活性化されると言われています。
深呼吸についてですが、呼吸法によっては交感神経を刺激するものもありますので気をつけなくてはなりません。交感神経を優位にするのは胸で行う胸式呼吸、副交感神経を優位にするのは腹部で行う腹式呼吸です。
腹式呼吸は臍の下に手を当てて身体を脱力させて、鼻から息を吸いゆっくり口から息を吐くように行います。五分から十分程度、無理のない範囲で行ってみましょう。
眠る前にはスマートフォンやパソコンを見ない
スマートフォンやパソコンの画面から出るブルーライトは、目に見える光の波長の中で体内時計を遅らせる効果が最も強い光だといわれています。寝る直前までスマホを見ていると睡眠の妨げになる可能性があるため、寝る前には見ないようにすることが大切です。またスマホからはブルーライトの光だけでなく、たくさんの情報も入ってきます。寝る前にそうした大量の情報を見てしまうと、交感神経が刺激されて興奮し、寝付きにくくなります。
また、スマホがそばにあると着信音や振動で眠りが浅くなります。睡眠の質の低下につながるので、寝る前にスマホを見るのを避けるだけでなく、寝床のそばにスマホを置くのもやめることをおすすめします。
体験談
私が睡眠改善を行った時の方法について、誰かの参考になるかもしれないので少し書いておこうかなと思います。
自律神経を整える方法自体は少し意識しました。早寝早起きと太陽の光を浴びること、適度な運動、あとは眠る前に首と、仕事柄眼精疲労が溜まりやすいので目元も温めることを心がけていました。何より一番効果があったのは、「ベッドでは眠る以外のことをしない」です。スマートフォンを弄ったり本を読んだりする時はベッド以外の場所でしましょう。また、「眠るときはベッドで」ということも心がけました。お昼寝や短時間の睡眠も、可能な限りベッドでするようにしました。身体に「ベッドは眠る場所だ」と教えるようにしたのです。人の身体は存外単純にできていて、繰り返し習慣付けるようにしたことは思っているよりも早く覚えてくれます。ベッドに横たわったら眠る。そう身体が覚えるように繰り返し教えることで、ベッドに入ると自然と眠くなるようになっていきました。今では横になって目を瞑ると五分もかからずに夢の中です。
個人的にはこの方法が一番効果があったかな、と思いますので、もし寝付きが悪かったりでお悩みの方は、自律神経を整える以外にこの方法も試してみてください。
まとめ
私達は人生の三分の一を睡眠に費やしていると言われています。その睡眠の質を上げることが人生のパフォーマンスに影響するのは、そう考えると当然ですよね。
日々の生活も仕事もしっかりとこなしていくために、睡眠の質は是非とも高めていきたいものです。今回の記事が少しでも睡眠の悩みを抱えている方の助けになったのなら幸いです。
それでは、今回はここまで。
今後ともMEプロモーションをよろしくお願いいたします。