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「Threads」

2023.08.17

マーケティング

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こんにちは、マーケティング部の松本です。
2023年7月6日、FacebookやInstagramなどのSNSサービスを提供するMetaが新たなテキスト共有型SNSサービス「Threads」をリリースしました。同じテキスト共有型SNSサービスの「Twitter」においてAPI制限等の仕様変更が行われていたタイミングでのリリースであり、大きく話題に上がったのはまだ記憶に新しいことかと思います。
今回はその「Threads」について、簡単にではありますがご紹介させていただければと思います。お付き合いいただけますと幸いです。

「Threads」とは

MetaのInstagramチームが開発した、「テキストでつながる新しいアプリ」がコンセプトのSNSサービスです。サービス開始からわずか5日間でユーザー数が1億を突破するという驚異的なスピードで成長しており、このユーザー数に達するまでのこれまでの最短記録は「ChatGPT」で2ヶ月、「TikTok」で9ヶ月となっていました。比較すると「Threads」の成長スピードの異様さがよく分かりますね。

「Threads」の機能とTwitterの比較

2023年7月26日時点での、既に使える機能と使えない機能を以下にまとめました。

使える機能 使えない機能
500文字までのテキスト投稿(スレッドの開始) 広告
動画や画像コンテンツ共有 ハッシュタグ
スレッド返信によるユーザー同士の会話 分析(インサイト)
メンション 投稿の検索機能(検索はアカウント情報のみ)
リンク投稿(OGP表示あり) 投稿時の画像トリミング
再投稿(Twitterのリツイートのような機能) 投稿後のテキスト編集
引用(Twitterの引用ツイートのような機能) 投稿テキストの翻訳機能
Instagram フィード投稿、ストーリーズ、
ツイート、リンクコピーなどのシェア
ダイレクトメッセージ(DM)
アカウントの公開範囲(公開/非公開)
スレッドごとのリプライ可能範囲設定(全ての人/フォローしている人/メンションしている人)

また、Instagram CEOのアダム・モッセーリ氏が自身のThreadsで投稿していた今後実装予定の機能については以下の通りとなります。

検索 ハッシュタグ フィードのフォロー
ソーシャルグラフの同期 フェディバースのサポート メッセージング
フィードの時系列オプション

現時点でのThreadsとTwitterの機能の比較をしてみましょう。

機能 Threads Twitter
投稿文字数 500文字 240文字
(ツイッターブルーでは1万文字)
文字装飾 不可 太字・斜体
リンク
画像
動画 最長5分 最長2分20秒
(ツイッターブルーでは120分以内、8GB以内)
投稿の編集 不可 不可
(ツイッターブルーで投稿後1時間は可能)
投稿の削除
ダイレクトメッセージ なし(実装予定) あり
トレンド機能 なし(実装予定) あり
ハッシュタグ機能 なし あり
検索 なし(実装予定) あり
認証マーク あり(Instagram経由) なし
(ツイッターブルー他一部アカウントではあり)
相互運用 あり
(ActivePub実装予定)
なし

「Threads」の利用条件

Threadsは、Instagramチームが開発したアプリとされています。そのため、Threadsを利用するためにはInstagramのアカウントが必要です。13歳以上など、Instagramが利用できる人であればアプリをダウンロードさえすれば利用可能となるでしょう。
アカウントIDや名前、ユーザーネームなどはInstagramアカウントからそのまま引き継がれます。なお、プロフィールやフォロワー・フォローしているアカウントについては、利用開始時に引き継ぐかどうか選択することができます。
個人情報の収集項目が多く、セキュリティ上不安という声もありますが、Instagramをすでに活用している場合は個人情報収集に同意済みとなっていますから、Instagramアカウントがある場合は利用を検討しても問題ないかと思います。

Threadsで使用される可能性があるInstagramの個人情報データ
ログイン情報 アカウントID 名前・ユーザーネーム プロフィール情報
フォロワー フォローアカウント 年齢などの情報

プラットフォームとしての「Threads」

さて、私達のようなマーケターとしては、新しいSNSが登場したとなると広告や活用方法について気になってしまうもの。今現在Threadsに広告機能はありませんが、いつ実装されるのか。MetaはFacebook、Instagramという巨大なプラットフォームの収益化を支える強力な広告システム、そしてその営業網をすでに持っています。広告システムをスクラッチから開発するのには莫大な費用と時間がかかりますし、広告を売る営業部隊や広告代理店などの外部パートナーを育成、採用するのにも時間がかかります。この点に関してThreadsは他の新興SNSと比較しても大きなアドバンテージを持っていて、実質「いつでも」広告展開は可能ということになります。FacebookやInstagramの広告のように精密なターゲティングで広告配信ができるようになれば、マーケターにとって魅力的なプラットフォームになることは疑いようもありません。その収益化について、MetaのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は自らのThreadsの投稿で「私たちのアプローチは、他の全ての製品と同じです。まず製品をうまく機能させ、次に10億人への明確な道筋をつけることができるかどうかを確認し、その時点で初めて収益化を考えるのです」と説明しています。
冒頭で紹介した通り、ユーザー数が記録的な勢いで伸びている点はプラットフォームとして素晴らしい点です。これからますますユーザー数が伸びていく可能性も大いにありますが、ユーザー自体がたくさんいてもプラットフォームを積極的に使っているユーザーが少なく、フィードも閑散としている場合、広告の掲載場所としてはあまり好ましくありません。ですので、ユーザー数は表面的な数字でもあり一つの目安ではありますが、今後注視していくべきはDAU(デイリーアクティブユーザー)、もしくはMAU(マンスリーアクティブユーザー)の数の推移といえます。
また、Instagramの責任者であるアダム・モセリ氏は、自らのThreadsでこのようなコメントをしています。

Threadsは、Twitterに取って代わることが目的ではありません。InstagramのコミュニティがTwitterを受け入れなかったり、Twitter(や他のプラットフォーム)のコミュニティがあまり怒りのない会話の場に興味を持っていたりする場合に、公共の広場のようなものを作ることが目的です。政治や難しいニュースがスレッドに現れるのは避けられませんし、Instagramでもある程度はそうなっていますが、そこを盛り上げようとは考えていません。

Threadsが目指しているのは「ユーザーにとって怒りのない、やさしい公共の場」である、と捉えることができます。また、Metaの既存の広告主に対して、Threadsというプラットフォームはブランドとユーザーがコントロールしあえる場所であると強調しているそうです。自社の広告がブランド価値を毀損する不適切な投稿の側に掲載されることは、どの企業も避けたいですよね。
つまりThreadsがユーザーにとっては「怒りのない、やさしい場」であり、広告主や企業にとっては「ブランドを守り、安全性を確保できる場」になると仮定すると、広告主にとって魅力的なアクティブユーザー数が担保できた頃が広告を展開し始める時期になる、と予測できるかと思います。

今の「Threads」でできること

では、現時点でのThreadsで企業ができることはなんでしょうか。現在の機能などからはおおよそTwitterと同じ使い方ができる、と考えられます。

自社コンテンツへ遷移させる

リンク投稿をするとOGP(オープン・グラフ・プロトコル)が表示されるため、メディアアカウントでの活用が有効です。

複数枚の画像を用いたカルーセル投稿

正方形画像を用いると横スクロールでつながった画像のように見せることが可能です。商品画像や人事採用などのアピールをはじめ、多様な使い方ができます。

呼びかけ投稿やアクションを促す投稿でユーザーとコミュニケーションを図る

「試しにコメントしてみてください」「〜ならいいね」などの投稿は多くの反応を得ることができます。

Threads上で新たなユーザーに見つけてもらい、Instagramへ誘導する

フォロー外のユーザー投稿がタイムラインに流れてくるため、新しいユーザーに見付けてもらい、Instagramへ誘導することで商品詳細やサービスの詳細を見てもらうことができます。シームレスにInstagramと連携することで、メディア欄やアルバムのように活用することも可能です。

他媒体やキャンペーン投稿へ遷移させる

リンク投稿を活用してTwitterやWebサイト、LPへの遷移を促すことができます。

偽アカウント防止のためにアカウントを取得する

企業アカウントの中には、今後のなりすましや偽アカウント発生を防ぐためにアカウントを取得した例もあります。

今後の「Threads」

Metaの公表しているThreadsに関するページに、以下のような記載があります。

Threadsは近日中に、World Wide Web Consortium(W3C)によって構築されたオープン・ソーシャル・ネットワーキング・プロトコルであるActivityPubに対応する予定です。これによって、MastodonやWordPressなど、ActivityPubプロトコルをサポートする他のアプリと相互運用が可能になり、ほとんどのソーシャルアプリでは不可能な、新しいタイプのつながりが生まれるようになります。Tumblrを含む他のプラットフォームも、将来的にActivityPubプロトコルをサポートする計画をすでに発表しています。
また、Threads上のオーディエンスについて、利用者がより自由に管理できるように取り組んでいきます。ActivityPubと協力することで、Threadsの利用をやめた後、自分のコンテンツを他のサービスに移行するオプションを提供する予定です。今後のビジョンは、互換性のあるアプリを利用している人々であれば、Threadsのアカウントを持っていなかったとしても、Threads上で他の人をフォローしたり、交流したりすることを可能にする(あるいはその逆)ことで、多様で相互接続されたネットワークの新時代を先導するものだと考えています。Threads上で公開アカウントを持っている利用者は、他のアプリからも自分の投稿が閲覧できるようになるため、追加の手間をかけずに新たなオーディエンスにリーチすることが可能です。非公開アカウントの場合は、Instagramでの体験と同じように、他の利用者からのフォローリクエストは承認制です。
オープン・ソーシャル・ネットワーキング・プロトコルの利点は、人々がお互いをフォローし合えることだけではありません。開発者は、他のオープン・ソーシャル・ネットワークに簡単にプラグインできる新しいタイプの機能やユーザー体験を構築することができ、イノベーションと実験のスピードを加速させることができます。各対応アプリは、独自のコミュニティ基準やコンテンツモデレーションポリシーを設定することができ、人々は自分の価値観にあわせたプラットフォームを自由に選ぶことができるようになります。私たちは、電子メールやウェブそのものを管理するプロトコルに似たこの分散型アプローチが、オンラインプラットフォームの将来において重要な役割を果たすと信じています。
Threadsは、オープンなソーシャル・ネットワーキング・プロトコルとの互換性を想定した、Metaにとって初めてのアプリです。急成長している相互運用可能なサービスのエコシステムに参加することで、Threadsが、利用しているアプリに関わらず、人々が自分たちのコミュニティを発見する一助となることを願っています。

【引用】
https://about.fb.com/ja/news/2023/07/threads_launch/

終わりに

いかがでしょうか。新SNSサービスである「Threads」について、簡単ではありますがご紹介させていただきました。
2023年7月末現在(執筆時点)、リリース当初の爆発的なユーザー数の増加は落ち着いています。しかし従来のSNSのようにまずユーザーがコミュニティを作り、そこに企業や著名人が参入する形とは異なり、Threadsでは既に多くの企業アカウントが作られ、それぞれがブランディングやユーザーへのアプローチを行っています。SNSの活用方法は企業によって異なりますが、今後も成長を続けると見込まれるのであればThreadsへの着手も早い方が良いかもしれません。
それでは、今回はここまで。
今後ともMEプロモーションをよろしくお願いいたします。