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避難ルート・帰宅ルート

2019.11.21

社内
防災

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こんにちは。
防災マニュアルシリーズの第3回のテーマは、「避難ルート・帰宅ルート」についてです。
大きな災害に遭遇したとき、どこに避難すればよいのか、また自宅まで歩いて帰る場合のルートを知っていますか?
弊社では先日の防災訓練で、避難ルートの確認として皇居外苑まで歩きました。また、自宅への帰宅ルートを作成し、防災マニュアルへの記入を行いました。

仕事中に災害が起きた場合、被災直後は勤務先の指示に従い、その後家族の安否などを確認するために帰宅することになると思います。
災害が起きると、公共交通機関がマヒし帰宅することが困難になることが考えられます。
このように自宅へ帰ることが難しい方々を、「帰宅困難者」と言います。

しかしほとんどの帰宅困難者は、家族が心配という気持ち等から徒歩で帰宅し、路上ではかなりの混乱が起きる恐れがあります。
行動を起こす前にラジオなどの確かな情報をもとに、慌てず安全に避難をすることが大切です。そのために会社の近くで一旦身を寄せられる避難場所までの避難ルートと、個人宅までの帰宅ルートのふたつを作成しました。

弊社では避難ルート及び帰宅ルートを作成する上で、3つのことを重視しました。

  • 避難場所の確認
  • 経路の安全性
  • 最低限度の情報

まずは、災害に遭った場合どこに避難するべきなのか確認していきます。

1.避難場所の確認

災害時、避難する場所は大きく分けて主に2つあります。

避難場所 避難場所は、地震などによる火災が発生し、地域全体が危険になったときに避難する場所で、火災がおさまるまで一時的に待つ場所です。ここでは、基本的には食料や水の備えはありません。具体的には、大規模な公園や緑地、大学などが指定されています。
避難所 避難所は、地震などにより家屋の倒壊や焼失などで被害を受けた方、または被害を受ける恐れがある方が、一定の期間避難生活をする場所です。ここには、飲料水やトイレなどを備えています。具体的には、小中学校や公民館などの公共施設が指定されています。

各市区町村ではあらかじめ災害時の避難場所を定めていて、避難場所について事前に確認しておくことが大切です。また避難場所、避難所にも種類があるのでご紹介します。

広域避難場所 広域避難場所とは、地震などで火災が拡大し、地域全体が危険になった時に避難する場所です。火災の熱から身体を守るには、10ヘクタール以上の広さが必要とされているため、大規模な公園や団地、大学などが指定されています。
一時避難場所 災害時の危険を回避するために、一時的に避難する場所です。帰宅困難者が、公共機関が回復するまで待機する場所として活用されることもあります。広場や公園、学校の校庭などが指定されています。
収容避難所 災害によって、短期間の避難生活が必要となったときに、一定期間の避難生活ができる場所です。宿泊や食事など、生活機能が提供できる学校の体育館が多く指定されています。
福祉避難所 介護の必要な高齢者や障がい者など、一般の避難所では生活が困難である人を受け入れる福祉避難所が、二次避難場所として指定されています。
※地域による

先日避難訓練のブログでも書きましたが、弊社のオフィスがある千代田区は地区内残留地区に指定されています。
ですので基本的にはオフィス等に留まることになっていますが、危険と感じた場合に避難できる災害時退避場所も指定されています。

地区内残留地区 地区の不燃化が進んでおり、地区内に大規模な延焼火災の恐れがなく、広域的な避難を要しない区域として東京都が指定している地区のことです。この区域では「災害発生の際、すぐに避難を開始するのではなく、自宅や、ビル等に留まり、被災状況を把握してください。」と呼びかけています。
災害時退避場所 地区内残留地区内で、建物内で危険を感じた場合や屋外にいた場合に、災害直後の危険や混乱を回避し、身の安全を確保するための一時的な退避場所です。防災行政無線等により、帰宅困難者一時受入施設の開設状況や公共交通機関の運行情報など地域の情報提供を行います。

千代田区では、以下の場所が災害時退避場所に設定されています。

  • 皇居外苑
  • 北の丸公園
  • 皇居東御苑
  • 日比谷公園
  • 外濠公園
  • 真田堀運動場

災害時退避場所避難場所案内図 画像

【出典】
"千代田区ホームページ - 災害時退避場所". 千代田区.
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kurashi/bosai/kitaku/shien.html, (参照日 2019-11-21に利用)

弊社では、「皇居外苑」を避難場所と設定し、避難ルートを作成しました。

ここまでで避難場所について確認出来ましたね。
先日社内の避難訓練でも実際に歩きましたが、災害時退避場所「皇居外苑」まで慌てず行動ができそうです。

2.経路の安全性

次は退避場所から徒歩で帰る場合の帰宅ルート作成です。ここで考えなければならないことは経路の安全性についてです。

帰宅途中に二次災害に巻き込まれないよう注意しなければなりません。
では二次災害とはどんなものなのでしょうか。代表的なものを下記に紹介します。

  • 火災
  • 津波
  • 土砂崩れ
  • 余震
  • 液状化現象
  • 氾濫
  • 地割れ

避難場所までは安全に移動ができても、自宅まで徒歩で帰宅する際に二次災害の恐れがある場所があると、たどり着くことが困難になってしまったり、思わぬ怪我をしたりする可能性があります。
自宅までのルートを作成する上で、経路の安全性についても事前に確認しておくことが推奨され、避けるべきポイントとして以下の場所があります。

道幅の狭い道 古い建物 ブロック塀
ガラス張りビル 大きな看板 工事現場
河川 土砂災害危険箇所 がけ・落石危険箇所

弊社のまわりでは、主に「ガラス張りビル」「工事現場」「大きな看板」などに気を付けなければいけませんね。
ここまでで、避難場所の確認と経路の安全を確認出来ました。

3.最低限度の情報

次に考えることは帰宅ルート上の情報についてです。
道路名や目印となる建物、途中に病院や避難所があればより安心して帰ることができますよね。
では、どんな情報を書き込んでいけばいいのでしょうか。
弊社では、下記項目を書き込みました。

  • 区役所、警察、交番、消防署等の公共施設
  • 交差点名
  • 学校
  • 公園
  • 町丁目番地
  • 通り名、道路名
  • 病院
  • コンビニ

また、災害時帰宅支援ステーションはご存知ですか?
これは自治体によって指定された場所で、大地震などの大規模災害の時に帰宅困難者に水道水やトイレ、周辺の道路状況などの情報を提供してくれます。具体的にはコンビニエンスストア、ファミリーレストラン、ガソリンスタンドなどで、地域によっては一時休憩所としても利用できるそうです。このような場所も書き込めばより安心して帰宅することができますね。
対象の店舗では、下記ステッカーを掲示しています。

■ コンビニエンスストア、ファーストフード、ファミリーレストラン等

■ ガソリンスタンド

まとめ

大きな災害はいつ起こるか分からないため、準備し対策を取ることが大切です。いざ自分自身が帰宅困難者になり、徒歩で帰ることになった場合、あらかじめ安全なルートを作成していれば安心して帰宅することができます。

また長時間歩くことも考えると、災害時支援ステーションという存在は助けになります。今回このような場所があると知ることができて良かったと思います。
一部の市区町村では「ぼうさいまち歩き」といって、自分たちの住んでいる地域を歩き、危険な場所や防災施設などを発見する活動などを行っているそうです。

大きな災害が発生したときには、自分で自分の命を守る「自助」の考えを持って行動する事が大切とされていますが、地域や身近にいる人たちが助け合う「共助」も大きな力になります。弊社としてもこのような活動に、今後目を向けて参加していきたいと思っています。