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時候の挨拶

2023.01.12

日常

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こんにちは、MEプロモーションの松本です。
近頃はどんどん寒さが深まり、寒さが一段と厳しくなってまいりました。吐く息が日に日に白くなり、冬の澄んだ夜の美しさについ時間を忘れて空を見上げてしまう日々です。さて、季節といえば、時候の挨拶というものをご存知でしょうか。近頃はあまり日常的に触れるものではなくなりましたが、四季の変化に富んだ日本だからこそ積み重ねられ、洗練されてきた季節に対する感性によって習わしとなった時候の挨拶。使う機会はそう多くありませんが、調べてみると美しく、季節ならではの表現にうっとりとしてしまいました。
今回は簡単にではありますが、時候の挨拶についてご紹介出来ればと思います。お付き合いいただけると幸いです。

時候の挨拶とは

「時候の挨拶」とは、手紙やはがき、挨拶状などの冒頭に用いる、季節をあらわす言葉での挨拶を指します。普段の会話の中で「暑い日が続いていますね」「朝晩は肌寒くなりましたね」と言うのと同じで、天気や気候や季節の移り変わりや寒暖を表わす挨拶の言葉であるのと同時に、相手の健康を気づかう意味でもあります。季節にちなんだ挨拶をするのは、四季の豊かな日本ならではの伝統的な習慣ですね。

時候の挨拶のルール

頭語と結語の使い方

頭語とは手紙の最初に書く「拝啓」を指し、頭語を使った場合は最後に必ず「敬具」などの結語を使います。本文の書き出しにあたる時候の挨拶は、「拝啓」などの頭語の後に書くというのが基本的ルールです。ですが頭語・結語を使うと堅苦しい表現になってしまいがちで、親しい間柄では手紙がよそよそしく感じられてしまうかもしれません。こうした場合は頭語・結語を省いて、時候の挨拶から手紙を書き始めることもあります。

前略の使い方

手紙の頭語に「前略」を使う場合、時候の挨拶は書きません。前略は「前文を略す」、つまり時候の挨拶も含めて略するという意味です。時候の挨拶を書くときは「前略」を頭語にするのは避けましょう。

お詫び・お見舞いの場合は使わない

お詫びの手紙では申し訳ないという気持ちを、お見舞いの手紙では相手の体調を気遣う気持ちの方を季節のご挨拶よりも優先して伝えるものですので、時候の挨拶を書略して単刀直入に本題に入ります。本文の結びの挨拶として「青田にそよぐ風が心地よい季節」「山々が紅く色づく頃には…」のように季節について触れるのは良いかもしれませんが、冒頭に時候の挨拶を用いるのは避けた方が良いと言われています。

時候の挨拶の例

時候の挨拶は季節をあらわす言葉を用いるものですが、実は現在の季節感とは少しずれている場合があります。これは伝統的な時候の挨拶が旧暦の月の呼称や二十四節気に基づいているからです。例えば、近年では八月の下旬はまだまだ全国的に猛暑という年も珍しくありませんが、時候の挨拶では八月下旬は「晩夏の候」と書くことになります。全てが全て伝統のルール通りというわけではなく、慣用句にこだわりすぎずに現代ならではの季節感を盛り込んでも問題はありません。

二十四節気については以前、ブログでご紹介いたしましたので、よろしければご確認いただけると幸いです。

和風月名 上旬 中旬 下旬
1月 睦月 新春の候
初春の候
寒風の候
寒中の候
厳寒の候
大寒の候
松の内も過ぎ、寒気がことのほか厳しく感じられます。
年が明け、まだ来ぬ春が待ち遠しく感じられます。
2月 如月 晩冬の候
立春の候
余寒の候
梅花の候
春寒の候
向春の候
立春とは名ばかりでまだまだ寒い日が続いております。
梅のつぼみも膨らみ、日中はいくらか寒さもゆるんで参りました。
3月 弥生 早春の候
浅春の候
仲春の候
春色の候
春分の候
春暖の候
旅立ちの春を迎え、日増しにあたたかさを感じています。
啓蟄を過ぎ、小川の水もぬるんで参りました。
4月 卯月 陽春の候
桜花の候
陽春の候
春風の候
春陽の候
晩春の候
桜の花のたよりが聞かれる頃になりました。
花の色が美しい季節になりました。
5月 皐月 新緑の候
立夏の候
新緑の候
薫風の候
薫風の候
青葉の候
新緑の香りがすがすがしい季節になりました。
風薫る季節となりました。
6月 水無月 初夏の候
青葉の候
深緑の候
向暑の候
梅雨の候
向暑の候
あじさいの色が美しく映えるころとなりました。
長かった梅雨も明け、初夏の風が爽やかな季節となりました。
7月 文月 盛夏の候
小暑の候
盛夏の候
暑中の候
盛夏の候
大暑の候
天の川がひときわ美しい季節となりました。
入道雲が空に映え、まぶしい夏の到来を告げています。
8月 葉月 立秋の候
晩夏の候
残暑の候
晩夏の候
残暑の候
秋暑の候
立秋とは名ばかりの厳しい暑さが続いています。
吹く風に、ゆく夏の気配を感じる頃となりました。
9月 長月 初秋の候
新涼の候
爽秋の候
涼風の候
秋涼の候
秋色の候
秋桜が風に揺れ、朝夕はしのぎやすくなって参りました。
朝の空気に爽秋の気配が感じられる頃となりました。
10月 神無月 秋色の候
秋晴の候
秋麗の候
紅葉の候
秋冷の候
紅葉の候
菊の花が香る季節となりました。
天高く馬肥ゆる季節となりました。
11月 霜月 晩秋の候
紅葉の候
落葉の候
向寒の候
霜秋の候
向寒の候
吐く息の白さに、秋の終わりを感じる頃となりました。
街路樹も葉を落としゆく秋の気配に寂しさを感じる季節となりました。
12月 師走 初冬の候
師走の候
師走の候
寒冷の候
寒冷の候
歳末の候
年の瀬の、寒さの身にしみる季節となりました。
師走に入り寒さも本格的になりました。

最後に

いかがでしたでしょうか。
日本ならではの四季折々の豊かな変化をあらわす言葉を用いた挨拶は、何だかとても丁寧で相手への思いやりを感じますよね。今回ご紹介した時候の挨拶はごく一部で、かつ慣用的なものになります。これらを参考に、自分自身が感じ取った季節を言葉にして用いてみるのも素敵ではないでしょうか。
それでは、今回はここまで。
今後もMEプロモーションをよろしくお願い申し上げます。