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【運用のヒント】インストリーム広告とは?

2023.03.14

マーケティング

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こんにちは、マーケティング部の田中です。
前回「YouTube動画広告とは」というブログで、YouTube動画広告には様々な種類があることをご紹介しました。
今回は、YouTube広告の中で最もメジャーである「インストリーム広告」をさらに深堀りして、メリットやデメリット、運用に関するヒントなどをご紹介したいと思います。

インストリーム広告とは?

インストリーム広告とは、YouTube動画を再生した際に、動画の最初や最後、もしくは動画の途中で再生される広告になります。YouTubeを視聴しようと思った時に必ずと言って良いほど流れてくる、あの動画広告です。
インストリーム広告にはスキップが可能な「スキッパブル広告」とスキップが不可能な「ノンスキッパブル広告」があります。それぞれの概要は以下の通りです。

概要

スキッパブル広告(スキップ可能) ノンスキッパブル広告(スキップ不可)
掲載場所 YouTubeおよびGoogle動画パートナー上で配信される、動画再生の前後や再生中 YouTubeおよびGoogle動画パートナー上で配信される、動画再生の前後や再生中
長さ 指定なし(※15~30秒推奨) 15秒以下
特徴 動画再生から5秒経過後、広告のスキップが可能 スキップ不可の為、ユーザーに最後まで見てもらう事が可能
課金形態 CPV (広告視聴単価)
CPM(目標インプレッション単価)
CPM(目標インプレッション単価)

掲載場所

掲載場所はどちらも同じです。
YouTube内のみならず、ウェブサイトやアプリ内で再生される動画にも配信可能です。
広告管理画面の「キャンペーン」を選択→「設定」→「ネットワーク」→「ディスプレイネットワークの動画パートナー」にチェックを入れることで、リーチの最大化が見込めます。

動画の長さ

入稿できる動画の長さは、スキッパブル広告は指定が無いのに対して、ノンスキッパブル広告は15秒以内と制限されています。それもそのはずで、スキップできない広告動画が5分も流れてきたとすれば、YouTubeを利用する人自体が減ってしまう可能性がありますよね…?
インストリーム広告のみならず動画コンテンツ自体、長さが短いほど視聴率が上がる傾向にあります。そのため、スキッパブル広告では長さの指定は無いとはいえ15秒。長くても30秒以内で端的に訴求した方がより効果的です。

冒頭5秒が大切

スキッパブル広告は動画再生から5秒時点でスキップ可能なため、この5秒でいかにユーザーを惹きつけるかが重要となります。そのためにはターゲットをより明確にし、5秒間で最大限のインパクトを与えることが大切です。例えば不動産企業様であれば、冒頭で「○○万円以内でマイホームが買える!?」やユーザー目線の悩み「埼玉でマイホーム欲しいな〜」といった訴求が効果的です。
なお、ノンスキッパブル広告はスキップ不可なため15秒間最後まで動画を見てもらうことができます。しかし、スキッパブル広告と同様にユーザーを冒頭で惹きつけなければ、動画ページ自体から離れてしまう可能性があります。

課金形態

課金形態は、設定する入札戦略によって異なります。
CPVは「広告視聴単価」とも呼ばれ、ユーザーが動画を30秒間(30秒未満の場合は最後まで)視聴、または広告に対して操作(会員登録や資料請求を促すボタンをクリックなど)された場合に費用が発生する仕組みとなっています。スキッパブル広告では、主にこちらの課金形態が採用されます。なお、動画リーチキャンペーン(VRC)等の「幅広いユーザーにリーチして認知度を向上する」ことを目的とする場合は、後述のCPMが採用されます。
CPMは「目標インプレッション単価」とも呼ばれ、広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する仕組みです。こちらは、リーチやインプレッション数の最大化を目的とする入札戦略で主に用いられる課金形態となっています。ノンスキッパブル広告では、動画を最後まで視聴されることを前提として配信されるためCPMのみとなっています。

どちらの広告が良いの?

ブランドや新商品の認知拡大を目的とする場合は「ノンスキッパブル広告」がオススメです。
スキッパブル広告と比較して、ノンスキッパブル広告の方が視聴率が高くなる傾向があるからです。しかしながら、リード獲得や商品の購買促進を目的とする場合は「スキッパブル広告」がオススメです。ユーザーにストレスを与えないことがコンバージョンへの近道となるため、目的に合わせて種類を選ぶことが大切です。

インストリーム広告のメリット・デメリット

続いて、インストリーム広告のメリットとデメリットをご紹介します。

メリット

①認知拡大に最適

YouTubeは国内ユーザー数7,000万人以上(2022年5月時点)と、広告配信の対象となるユーザー数が他媒体と比較しても圧倒的に多いことが特徴です。また視聴者層も幅広く、豊富な潜在層へのリーチが見込めます。

参考:YouTube Brandcast

②精度の高いターゲティング

適切なオーディエンスにリーチするには、ユーザーの意向を特定することが最も大切です。
インストリーム広告は、年齢や地域はもちろん、Googleの検索履歴や訪れたサイトなどからユーザーの興味関心や購買意向を詳細に特定する事が可能です。
これはGoogleが提供しているサービスならではの強みだと言えます。

③費用対効果が高い

インストリーム広告では、CPM(目標インプレッション単価)の相場が300〜600円程。CPV(視聴単価)の相場は4〜6円程と言われています。実際に、弊社ではCPV(視聴単価)1円を実現できています。たとえ予算が少額であっても、限られた予算内で多くの潜在層を発掘することが可能です。

デメリット

①クリエイティブやABテストの難易度が高い

インストリーム広告では、クリエイティブの質が成果を大きく左右します。
そのため、クリエイティブの質が低ければ認知獲得や収益に繋げることは難しいです。
また、訴求ワードやイラスト、ナレーションやタイミングなど、複数の要素を組み合わせて動画は構成されているため、ABテストの難易度が高く、動画編集も時間と工数がかかります。

②不快感を持たれる可能性がある

YouTubeを閲覧するユーザーは前提として「目的の動画を見たい」という意向を持っています。
見たい動画の前に強制的に広告を流すわけですから、広告を必ず見て貰えるメリットを持つ反面、ユーザーにとってマイナスな印象を持たれてしまう懸念点もあります。

ユーザーに不快感を与えないための対策

先述した通り、インストリーム広告はユーザーへ強制的に流れる広告となっています。
そのため、マイナスな印象を持たれてしまうと、広告主のブランド価値を落としてしまう危険性もあります。ユーザーにできる限り不快感を与えないよう、いくつかの対策方法をご紹介します。

①ターゲットをより明確にする

ターゲティングは全ての運用型広告において重要な要素ではありますが、地域・年齢・性別・興味関心・購買意向など、細かいターゲティングを意識して設定する必要があります。また、状況に応じてプレースメントにも気を配ると良いと思います。ユーザーにとって興味がある商品・サービスを届けることを第一に考えてターゲティングを設定しましょう。

②ユーザーの興味を惹きつける動画にする

そもそも動画というコンテンツは、内容が面白くないと見る気が起きませんよね…?
ユーザーがつい見入ってしまうような動画を作るためには、「トレンド」と「ストーリー性」を意識することが大切です。
TwitterなどのSNSからトレンド入りしているものを探したり、Googleトレンドを活用して検索数の多いキーワードから見つけ出してみると良いと思います。トレンドを意識することで拡散される可能性もあるため、積極的に動画要素に盛り込みましょう。
また、ストーリー性はユーザーの「記憶に残りやすい」という点でとても重要です。例えば企業ブランディングを目的とした動画であれば、企業の歴史や社員の成長など、ユーザーの共感を得るような訴求が効果的だと言えます。

③フリークエンシーキャップを活用する

フリークエンシーキャップとは、同じユーザーに対して広告を表示する回数を制限する設定です。
デフォルトでは「なし」に設定されていますが、広告管理画面の「キャンペーン」を選択→「設定」→「その他の設定」→「フリークエンシーキャップ」から自由に調整できます。
設定可能なフリークエンシーキャップには、以下の2種類があります。

・インプレッションの発生頻度に上限を設定する(=表示回数を制限)

YouTubeやGoogle動画パートナー上で広告が表示されるたびにカウントされます。

・視聴発生頻度に上限を設定する(=視聴回数を制限)

ユーザーが動画を30秒間(30秒未満の場合は最後まで)視聴、または広告に対して操作(会員登録や資料請求を促すボタンをクリックなど)された時点の、いずれか早い方のタイミングでカウントされます。

表示回数と視聴回数、どちらも日単位・週単位・月単位で上限を設定することが可能で、上限に達したユーザーに対してはそれ以上広告は配信されません。

最適なフリークエンシーの回数は?

最適なフリークエンシーの回数は、ターゲットや動画内容、業種や商材、ユーザー個人の興味関心度合によって大きく異なります。そのため、最適な回数を決めることは大変難しいです。
広告は何回も表示させることで不快感を与えてしまう可能性がある一方、コンバージョンに結びつく可能性もあります。多すぎても少なすぎても良くないため、実際に配信してみて、広告の視聴率や視聴単価、インプレッションの平均発生頻度などユーザーの反応を確認しながら、調整していきましょう。

ちなみに、マーケティング理論の1つに「スリーヒッツ理論」と「セブンヒッツ理論」というものがあります。それぞれの意味は以下の通りです。

スリーヒッツ理論 広告に3回接触するとブランドを認知する
セブンヒッツ理論 広告に7回接触すると購入率が高くなる

以上の理論は、繰り返し何かを見たり、接触したりすることで好感度が上がっていくという「ザイオンス効果」という心理効果に基づいています。なお、ザイオンス効果には「接触回数は10回がピーク」「ネガティブな印象を改善する力はない」という注意点があります。そのため、同じターゲットに同じ動画を配信するのは10回までとし、10回以上流す場合は別の動画を配信した方がより効果的です。こちらも是非、運用の参考にしてみてください。

参考:セブンヒッツ理論とは何か?
ザイオンス効果とは?

最後に

いかがでしたでしょうか?今回はインストリーム広告のメリットやデメリット、運用に関するヒントをご紹介させていただきました。
インストリーム広告は、YouTubeの利用率が増えている近年において、すっかりお馴染みの広告となりましたね。私自身も毎日のようにYouTubeを利用しているため、ユーザーの立場で広告の存在を考えることが多々あります。同じ広告は一日に何回まで我慢できるか。何回目から認知して購入する気になるか。どんな内容だったら最後まで見るか…。そして広告運用者として、クライアント様の素敵な商品・サービスを世の中に広めるためにはどのように運用していくべきか。ユーザー目線を忘れずにこれからも尽力して参ります。

それでは、今回はここまで。最後までお読みいただきありがとうございました。